≪六節;自分との舌戦≫
〔それに―――ジョカリーヌは・・・この存在を忘れようはずがありませんでした。
この「地球」を我がモノにせんとし、ありとあらゆる手を尽くしてきた・・・「ブラック・ウィドウ」首領―――ヱニグマ・・・
一度は直接対決により、その存在を葬ったものと思われていましたが・・・
その為の「保険」は―――プルミエールなる存在は、嘗てのその存在を彷彿させるが如くに始動していたのです。
そしてこの人物も―――まさにこの時のため、プルミエールを用意した「ヱニグマ」―――アヱカでさえも・・・〕
ア:フ・・・フフフ―――わたくし事ながら、おぞましいことを考え付いたものです・・・。
ジ:アヱカ―――?!
ア:お前は・・・いわゆる、わたくしの「身から出た錆」―――それ故、その総てを否定までは致しません。
ですが・・・今のお前が存在する意義は、間違っています。
プ:フ・フ・フ―――これはまた可笑しなことを・・・
うぬは、自分で自分を否定するのか―――
ア:確かに・・・そうかもしれません。
けれども、お前はこの世に存在するべきではなかった・・・
あの当時―――ヱニグマであったわたくしが滅んだ時点で、共に滅び逝くべきだったのです。
プ:これはまた都合のよいことを・・・吾は、うぬが持ちし「悪」を純粋に培養された結果に過ぎぬ。
それ故、あの当時うぬが持ちし「野望」を、そのまま受け継いでいるのを忘れたのか!
ア:ですから・・・そこの処は敢えて否定は致しません。
けれども―――ヱニグマであったわたくしは、広大に広がる闇の宇宙を彷徨(さまよ)い続けるうち・・・
ようやく、わたくし本来のあるべき姿を見つけることが出来たのです。
ですが・・・それが判った時には―――わたくしと女禍・・・どちらもが相譲ることがなかったがために、
この「蒼く美しき天体」であった地球を、終焉の一歩手前まで追い込んでしまったのです。
そしてわたくしは一度滅び―――女禍は・・・大切な友「シャンバラ」を犠牲にすることにより、
地球もようやくここまでの景観を取り戻せることが出来たのです。
〔女皇アヱカと共にマグレヴ王宮まで来たタケルと婀娜那は、彼ら自身でさえ知らない事実を次々と述べるアヱカに、目を白黒とさせていました。
それもそのはず―――今アヱカが述べていることは、二人が学んだ事の・・・どこにもなかったのですから。
でもそれは―――アヱカが描く壮大な空想・妄想ではないのか・・・と、思うのですが、
まづ第一に、こんな事態にそんなことをしなければならない道理も浮かばないし、
なにより―――彼ら以外が殊の外真剣だった・・・
それは・・・アヱカにしろ、ジョカリーヌにしろ、ヱリヤにしろ、エルムにしろ―――なにより・・・プルミエールにしろ・・・
つまりは、そこでアヱカが述べたことが、「真の歴史の真実」であったわけなのです。〕