≪三節;新参の将の公での披露≫
〔それはさておき―――政務に続いては軍務の論争・・・
そこには、『東部戦線』『西部戦線』から参入してきた二人の将校の紹介から始められたのです。〕
婀:皆も既に知っておるように、こちらにおはすお二方こそ、此度の東西各戦線よりご参入頂いた・・・
「驃騎将軍」のヱリヤ様と、「車騎将軍」のエルム様じゃ―――
ヱ:ヱリヤ=プレイズ=アトーカシャと申し上げる―――
エ:エルム=シュターデン=カーミラだよぉ〜ンv
ヱ:(緊張感の欠片のないヤツめ・・・)
婀:ところで―――これからの各戦線の展開となるのですが・・・
エ:ンなモン簡単だよぉ〜〜―――
この私が〜片っ端からヤツらを、ちぎっては投げ〜〜―――ちぎっては投げ〜〜――――・・・
ヱ:いいからお前は喋るな―――
エ:ぁにすんだよ!もぉ〜〜―――!! いいぢゃないかよ、少しくらい!!
ヱ:あのなぁ〜〜お前が喋りだすと、シリアスなものが途端にファニーなものになって・・・
エ:えっ―――?シリアル?? どこどこ?早速ミルクかけて食べちゃわなきゃ〜
ごつんっ〜☆
エ:あいたっ―――いったぁ〜いぢゃないのよさっ!! 何だって私の頭をぶったりすんだよ!!
ヱ:誰が今食べ物の話しをしろと云った!! 全っ然方向性が違うじゃないか!!
エ:え゛〜〜―――だってぇ・・・
ヱ:だってもナニも゛っ―――!!
婀:ん゛〜〜おっほんっ―――!
ヱ:ああっ―――これは失礼を・・・
エ:ヤ〜イ、ヤ〜〜イ、怒られた〜〜―――♪
ヱ:お前もだっ―――!!
エ:てひv
〔ところが―――伝説の二将の紹介も、最初の頃は厳正とした雰囲気の中で執り行われていたのですが・・・
どうやら性格も陽気で奔放なところがあるエルムが、こんな重苦しい空気にも似た場を好まなかったらしく、
彼女らしく愛嬌をたっぷり周囲(まわ)りに振りまき、場を和ませたお陰で、殺伐とした軍務の話し合いの場の空気を一変させてしまったのです。
そのことは、ここ最近とみに笑顔をお見せにならなくなった、この方の頬が緩んだことからも判るように・・・〕
ア:うふふふ―――・・・
婀:陛下―――
ヱ:これは申し訳ありませんでした―――同僚の不始末、この私からも重ねてお詫びを申し上げる次第でございます。
ア:いえ―――かまわないのですよ・・・。
わたくしも、本来は軍務の話を聞くのには耐え忍びがたいところがありますから・・・。
そのことを―――エルム様には感謝をしなくては・・・
ご覧になられてください―――いつもは殺伐とする軍務での話し合いの場も、エルム様が和ませてくれたお陰で少しばかり空気が緩んできているように感じますもの・・・。
エ:――――・・・・・。
ヱ:畏れ入りまする―――
・・・どうしたシュターデン、お前も降頭を―――
エ:・・・私は、そんなつもりでやったんじゃないのだけれどねぇ―――
ケドも、あのやり様をそうと捉えられたんじゃ仕方がない、素直に謝っておく事にするよ―――
それにしても・・・この私のふざけた言動を、そのまま捉えてくれなかったのは、あの方に続いてあなたが二人目―――だよ。
〔それは・・・他愛もないやり取りに見えたのかもしれません―――
しかし、他者を視ることに長けていた者に、女皇の仕草がどう映ったのかは、次のエルムの行動が如実として物語っていた事でしょう・・・。
―――ともかくも、軍務においての論点の概要は、主に補給戦の充実と各戦線の防衛度の拡充・・・連携を重点とするに留めておき、
これにて朝議は滞りなく閉会をしたのです。〕