≪三節;頂上対決≫
〔そして戦戟は交わり―――〕
ゾ:受けよ・・・我が渾身の一撃を―――!!
――=ガイアーズ・ジャッジメント;ヘヴンズ・クライ=――
ヱ:我が一撃は最強也―――!!
――=フレアーズ・ジャッジメント;アルド・ノヴァ=――
〔二人とも・・・既に二撃目を考えていない―――
だからこその「最終奥義」の発動―――・・・
そこでキリエは、母の最初の行動―――この国の兵士達と共に自分を下がらせる思考の裏には、こう云った思惑があったからなのだと云う事が判ってきました。
自分を含める、ハイランダー同士の・・・常軌を逸した闘争―――
技と技とのぶつかり合いで生じた衝撃波に、たったそれだけで息絶えてしまうマルドゥクの魔物兵達・・・
その一瞬で、掻き消えた命は、数えきれなかった―――と、後世では伝えられました。
・・・が―――〕
ゾ:フフフ・・・流石はスィストラーシャ、私の最高奥義に耐えるとは・・・
ヱ:フン―――御託はいい・・・かかってこい。
〔あの凄まじいぶつかり合いの中でも、二人のハイランダーは無傷でした。
いえ、無傷でなければならなかったのです。
なぜならば、彼らが放った初撃の技は、彼らの奥義の中でも最高の破壊力を誇るモノだからであり、
これでもし、どちらかが傷ついたり弱っている処を見せたら、そこが次の狙いどころとなってしまい、一気に窮地に陥ってしまう・・・
その事は、傍(そば)で母とその弟との闘争の行方を見守っているキリエにでも判ってきました。
けれど、それは同時に―――最悪の事態であるとも云えたのです。
それはそうでしょう・・・両者の最終奥義をしても決着がつかない場合、ジブでの戦線は膠着したままの状態となる・・・
その結果、戦乱は長引いてしまい、パライソが支援をしてきたマグレヴは、ランド・マーヴルを統一する機会を永遠に失い、
またパライソも、マグレヴに支援した影響が出て、折角統一したガルバディアの覇権をふいにしてしまう畏れも出てくる・・・
こう云った最悪のシナリオは、ある程度ヱリヤの内(なか)でも予測はしていました。
しかし・・・だからこそヱリヤには、この望まぬ闘争を、一瞬にして収めてしまう「奥の手」を秘していたのです。
けれど・・・これは飽くまでの話し―――出来る事なら、「奥の手」は「奥の手」として使わないでおきたい・・・
でも―――そうした甘い考えは、現実である闘争は赦してはくれない・・・現実とは、いつの世でも辛く厳しいものなのである事を、ヱリヤは再度認識させられるのです。〕