≪四節;苦い記憶≫
ゾ:そう云えば―――私も最近感じたことなのだが・・・「モルニヤ」が発動した形跡があるようだな。
なぜ・・・なのだ―――なぜ、身罷(みまか)ったはずの、ママーシャのグノーシスが発動したのだ・・・。
ヱ:あれは・・・あれは仕方のなかったことなのだ―――
ゾ:またか? また―――「仕方がなかった」のか??
スィストラーシャ、それは説明にすらなっていないぞ!!
キ:デイアーデイァシャ!それは本当の事なんです!
バーブゥシカシャであるスターシア様は、カルマによって陵墓である「奉竜殿」を暴かれ、そして私達の前に・・・
ゾ:黙れぇい!小娘―――・・・今はお前如きに意見を求めてはいない!!
ヱ:よせ! だが本当の事なのだ!!
ただ・・・私も違和を感じていたのは、滅び消え去ろうとしているママーシャの表情が、いつになく穏やかだった・・・
そう―――政調しゆく我が子を見守る時のように・・・
ゾ:フ―――フフフ・・・そうとでも云えば、私が納得するとでも思っていたのか・・・小賢しいわ!
〔母・スターシアの復活と―――再度の滅び・・・
その事は遠隔の地にいたゾズマにも感じていました。
しかしその謎を姉や姪から聞くに及び、「あの母が・・・」と、ゾズマは更なる疑念に駆られもしたのです。
姉よりも厳しく、また優しかった母―――・・・それがどうして、一体いかなる理由があって、敵であるカルマに与(くみ)したのか・・・
それに、話しの流れからすると、敵として蘇った母を討ったのは、姉であると云う事―――・・・
その事がゾズマにとっては重要だったのです。〕
ゾ:いかなる理由があろうとも―――スィストラーシャ・ヱリヤよ・・・あなたは同属を弑(しい)したのだ、それも愛するママーシャを!!
ヱ:ゾズマ―――・・・
ゾ:ならば今度はあなたが受けるべきだ―――ママーシャの傷(いた)みと、私の恨みを!!
――=マグニート・ブラスター;ヴァーレンティン=――
ヱ:・・・っく―――ぉおおっ!
キ:ママーシャ―――!
ゾ:立て、スィストラーシャよ!! ママーシャの受けた傷(いた)みは、これより遥かに痛かったはずだ!
そして・・・これでママーシャの下へと逝くがいい―――!
――=エールデ・ストライク;グランド・スラム=――
〔愛する母を弑(しい)された怒りを―――張本人である姉にぶつけるゾズマ・・・
そして弟の怒りの籠った技を、敢えて防ぐ素振りも見せず受け止めるヱリヤ・・・
そう・・・彼女には判っていたのです。
誰が何と云おうと―――自分がどんなに弁解しようと・・・
母親を殺してしまったのは、自分であると云う事を。
では、他に手はなかったのか―――と云ってしまえばそれまでなのですが、
敢えてヱリヤを弁護するならば、ヱリヤとスターシアが闘い合わなければならなかった理由こそは「種族の掟」であり、回避は不可能だった・・・と、云う事なのです。〕