≪三節;戦場を駆け抜けよ≫
カ:やれやれ―――それにしても、タケル殿も奇抜な事をやってくれる。
こんな・・・彼でさえ知りもしない土地で、奇襲戦をやってのけると云うのだからなぁ。
ギ:しかし、理にはかなっておりまする。
「土地を知らない」と云う事は、往々にして向こうの油断を誘えます。
無論―――その事はタケル殿でもそうでしょうが、もしこの地に精通している者が、彼の下(もと)に付けば・・・
カ:う〜ん・・・その事を向こうさんが気付いていればの話しだが―――今は、一刻でも早く精密な情報が欲しい・・・。
ヒ:ではアタイが、先行しているタケルさんの軍と接触を図りたいと思います。
ギ:大丈夫か―――ヒヅメ・・・
ヒ:ご心配なく―――お義父(とう)さん・・・
こんなこともあろうかと、丞相閣下から下賜されたモノがありますから。
ミ:この装置は―――・・・
ヒ:はい―――この装置を開発した、将作大匠・ゼシカ様の話しによると、
なんでも宙に浮いている「エイセイ」とか云う代物とのやり取りで、現在アタイ達がいる位置を把握出来るモノのようです・・・。
セ:これは・・・凄い―――現在私達がいる場所を特定できてしまうなんて・・・
ヒ:でも、将作大匠・ゼシカ様の云われるのには、急拵(きゅうごしらえ)でこの一つしか用立てられなかったことを、非常に残念がっておられました。
しかし・・・こうまで精密だったとは―――アタイもびっくりです。
〔セシル達が本隊を離れて向かっていた場所―――それこそが、ジブ・ミレット・カルカノールにて展開されている戦線よりも、
後方にて物資の補給元となっている処に、急襲・奇襲を仕掛けようとしているタケルの部隊の援軍・・・
もしそこ―――「ダニューブ」が攻略されれば、マグレヴ・パライソ連合軍より倍の兵力を抱えるマルドゥク軍は、瓦解の危機に陥る・・・
しかし逆に、マグレヴ・パライソ連合軍が攻略を完了させてしまえば、この戦い自体の戦局を優位に進める事が出来る・・・
それこそが、今回タケルが描いていた戦略構想だったのでした。
ともあれ、それよりもまづ第一に重要なのは、マグレヴ側が各戦線にて勝ちを拾う事に会ったのでした。
「ジブ」や「ミレット」においては、ハイランダーやヴァンパイア達の活躍もあって勝利する事が出来ていたのですが・・・
それでは「カルカノール」は―――・・・?〕