≪二節;必滅の理(ことわり)≫
〔しかし、それは「錯覚」だけに留まらなかったのです。
それと云うのも―――・・・〕
敵:ぎゃぼわ〜〜っ―――!
敵:な―――なんだ・・・お前いらは・・・
敵:ああ〜〜っ・・・よくもオレ達の兄弟を殺しやがって〜・・・
敵:ゆるさねぇ〜〜責任者出て来い! ぬっ殺してやる〜〜!!
サ:ぶっ殺すぅ〜? 何か云ってますよ・・・こいつら―――
マ:ニャハハ〜w ギャグ云ってるにしても笑えない話っすよねぇ〜w サヤ姐さん♪
サ:(私ゃあんたの「姐さん」ぢゃねえっての―――)
ねえ・・・公爵様・・・
エ:フフ・・・に、しても、私達を「殺す」かい―――無邪気なもんだよねぇ・・・
サ:(・・・へ?) あの・・・公爵様??
エ:私達は―――お前達を滅ぼす為に遣わされてきた者・・・そんな私達を、お前達は「殺す」だと云う・・・
ン・ククク―――・・・未だ尻尾の取れぬ蛙(かわず)の子が、天敵にも似たる蛇をそうするのだと云うのかい・・・
面白い、やれるモノならやって貰おうじゃないか、但し―――私を満足させられないのなら・・・止めとくのは今のうちだよ・・・。
〔戦場の東側の方で、不運にもある種族と遭遇し―――闘争の渦中に巻き込まれた敵軍の一隊がありました。
そしてその時、敵の一隊を襲っていたのは、公爵・エルムが率いるヴァンパイア達・・・
どんなに傷つけられようとも、驚くべき速度で回復・復元をし―――他の生ける者達の命を喰らい、存在を維持し続ける者達・・・
そんな種族を相手に、魔物の兵とは云えマルドゥクの軍が敵(かな)うはずもありませんでした。
しかも・・・この戦場の別の方角からは―――〕
敵:うわあぁぁ・・・あ―――悪魔だ・・・あかい・・・真紅い悪魔が、焔を纏ってやってきやがったあぁ〜〜!
敵:ああ・・・な、なんと云う事だ―――オレ様が預かった一隊が・・・あいつ一人の為に・・・
・・・く―――オレ様がプルミエール様から預かった奴らを、こんなにも・・・
ヱ:五月蝿(やかま)しい―――雑魚が吠えるな・・・
何よりお前は、私が先を征(い)く前(さき)を遮っている・・・私の征(い)く前(さき)を遮るのは「敵」である証拠―――
だがお前達は、私が察するのに「敵」ではないようだ・・・ならば雑魚なのであろう―――
いいか・・・一つだけ忠告をしておいてやる、今の私に必要なのは「敵」であって、お前達のような雑魚ではない・・・
それでも相手になると云うのならば・・・よかろう、ならばお前達は、これから震えながらではなく―――藁のように死んで逝くのだ!!
〔紅蓮の焔に包まれた「真紅の騎士」・・・それを形容するのに、マルドゥクの兵士達はまた別の呼び名―――「真紅の悪魔」と叫びながら果てて逝きました。
焔を自在に操る能力―――パイロ・キネシスによって、征(い)く前(さき)を遮る者達を焦がし尽す者・・・
その様相は、喩え魔物とは云え、兵卒レベルの彼らからすればとても敵うモノでもありませんでした。
そしてここに―――ジブ・ミレットの両戦場で展開、勝利を収めたそれぞれの隊が、ここカルカノールに集結・・・
タケルが描いていた謀略が、その意図として的確に反映された瞬間だったのです。〕