≪二節;夢か現(うつつ)か幻か≫
〔それにしても一体いつから―――・・・
一体いつから、彼女達は―――自身達を欺けるほどに、精巧なる幻影を見せられていたのか・・・
一体いつから、アヱカは―――自身達を欺けるほどに、精巧なる幻影を見せつけていたのか・・・
そう―――総ての疑問は、そこからなのです。
しかし、その事を見透かしたかのように、また彼方からアヱカが現れ―――・・・〕
ア:―――・・・。
プ:おのれ―――そこか! 今度は逃がさぬぞ!!
――=インファナル・アフェア;アーク・エネミー=――
ジ:あ・・・っ―――(また・・・また・・・だ!)
プ:うぅっ・・・くく―――おのれ、小賢しい!! またもや幻影なるか!
〔まるで・・・こちらを試しているかのように、またもや彼方から姿を現すアヱカ―――
それを、今度こそは仕留め損ねまい―――と、確実に業(わざ)の解放をしたプルミエールでしたが・・・
またしても―――アヱカ「らしき」人影は、引き裂かれて崩れ去った・・・
そのことに、終(つい)に業を煮やしてしまったか―――と、思われたのですが・・・〕
プ:フッ―――フ・フ・フ・・・なるほどな、これも貴様が得意とする心理戦・・・
だがヱニグマよ、貴様の魂胆は読めているぞ―――こうやって幻影を創り出し、吾の力の源泉の浪費を狙っているのであろうが!
その手に乗ってやりたいのは山々なのだが・・・吾とて、滅びの運命(さだめ)の下(もと)に生じたのではないのでなぁ・・・。
さあ―――いい加減に姿を現し、決着をつけようではないか!!
〔相手は意外にも冷静でした・・・。
あたら精巧な幻影を創り出す心理の裏側には、無尽蔵にあると思われている力の源泉を浪費させる為に行っていた事―――
その事をすぐに理解し、また新たなる幻影を目撃しても、業(わざ)の解放を試みない難敵がいたのです。
そして、自らの策を看破されたからか―――・・・〕
ア:ウフフフ―――ご名答・・・
ジルからの借り物の「ヴェリザの方陣」と同時に張っておいた「夢幻陣」により、あなたが持つ力の源泉の浪費を狙ってみたのですが・・・
所詮、わたくしの浅知恵では、その事はすぐに見透かされてしまいましたね・・・。
プ:フン―――ようやく吾との格差を思い知りしか・・・ならば、死ね―――!
〔おかしい―――自分の知っているヱニグマならば、策の一つが看破(みやぶ)られたくらいで、こうも簡単に姿を晒せただろうか・・・?
それに、自分の知っているヱニグマならば、策略に策略を重ねて、どちらが本命であるのかすら、相手に判らせない内に翻弄していたものなのに・・・
だから―――こうして、のこのこと敵の前に姿を現したのは、どうにも納得し難い・・・
過去には、ヱニグマと鎬を削った事のあるジョカリーヌだからこそ、彼女の恐ろしさの本質と云うものを心得ていました。
そしてそれは、アヱカも受け継いでいるモノ―――と、当然そう思っていたのですが・・・
「らしからぬ」アヱカの行動に、戸惑っていた感は否めなかったのです。
ですが―――もし・・・この策略自体、「看破」される事が「前提」・・・だったとしたら・・・?〕