≪三節;ヱニグマとジィルガ≫
〔しかし―――ここには大いなる疑問が・・・
そう、同時にこのジィルガと云う存在は、第一部でのカルマ平定戦―――コキュートス攻城戦の折に、
タケル達「十聖剣」と刃を交え、終(つい)にはタケルによって葬り去られたはず―――・・・
それが―――もうすでに存在を終(つい)えたはずの人間が、生前の姿そのままで女皇の前に佇んでいると云う事は・・・
いや、しかし―――?〕
ア:・・・わたくしは―――なにもわたくし自身の命が惜しいから云っているわけではありません。
デルフィーネ・・・もしあなたがこのわたくしを弑逆すると云うのならば、あなたは本当の悪と云うモノに染まってしまう―――
あんなにもご自分の妹である女禍を愛するあなたが・・・それは絶対にあってはならないことなのです。
あったにしろ―――そのことを一番に哀しまれるのはどなたであるのか・・・あなた自身はすでに判っているはずです。
ジ:―――・・・。
・・・フ―――やはり・・・お姉様の云われた通り・・・それに悔しいけれど、今のあなたの言には嘘偽り―――況してや悪意などどこにも感じられない・・・
完敗ね・・・私の―――
ア:デルフィーネ――――・・・
〔今回女皇の寝所に謎の訪問をしたマエストロ・デルフィーネは・・・
第一に、100万年の過去に自分たちの勢力に抗い、妹である女禍の愛してきたこの惑星を壊しかけた張本人を、許しおくことなど露ほども考慮の内に入れていませんでした。
でも―――その者・・・元はブラックウィドウの首領であった女の口からは、デルフィーネも信じ難いくらいの神聖な言の葉・・・
しかも口先だけの言い逃れなのではなく、実(まこと)持って穢れを払われたものでもあったのです。〕