<第七章;隠された内に見えてくるもの>
≪一節;カルマ倒壊―――その後≫
〔これからのお話しは、前回よりほんの少し前・・・場所も、時間軸も遡(さかのぼ)ったところ―――
場所は―――ついこのほど滅んだ元凶の国・・・カルマ国コキュートス城・・・
時間軸は―――まさにサウロンがパライソ国の勇者たちに討ち取られてから、僅かな時間しか経っていない頃・・・
そう―――この・・・かつては、総ての禍(わざわ)いの因(もと)とされた元凶の国に、また何かしらの不穏な空気が漂い始めていたのです。
その不穏の空気の因(もと)とは―――・・・
パライソの勇者の一人に破壊された「或る者」の「剣」―――・・・
「斬獲剣・グラム」の破片より、その者は蘇ったのです・・・〕
~パンパカパ―――ン♪☆
ガ:あ、いょいしょっと―――
ふぅ~ヤレヤレ・・・力を極限まで抑えながら、わざと敗けてやる―――ってのも、中々骨の折れることだわねぇ~。
さて・・・と―――
あんれまぁ~―――またド派手にやっちゃってくれてからに・・・
そぉれにしても―――ニヤケながら果てていくもんじゃないよ、お前たち・・・
〔なんと―――完全に消滅しきれなかったグラムの破片から、またその存在を復活・・・紡ぎ始めたのは、
「死せる賢者(リッチー)」―――である、「ガラティア=ヤドランカ=イグレイシャス」なのでした。
そう・・・畏るべきことに、リッチー・ガラティアはその存在を終(つい)えさせることなく、未だにこの世に存在していたのです。
それも、やはり不滅・不死なる存在の為せる業だと云えたのでしょうか。
―――ともあれ、ガラティアは右手のひと弾きでベェンダーを・・・左手のひと弾きでジィルガを、自分の目の前に再び召(よ)び喚(よ)せたのです。
ところが―――・・・〕
ジ:(!!) ・・・ぉお―――お姉様ぁ~!!
べ:(!!) ――――!
ジ:(く・・・)どけ・・・そこをどきなさい―――ベェンダー!!
べ:あなた様こそ何を考えていらっしゃるのです。
この私が・・・創主を害されるのを黙って見ているだけの存在だと?
ガ:いいんだよ・・・ベェンダー、そいつの好きにさせてやりな・・・。
べ:創主様?! ですが・・・しかし―――
ガ:こいつが本気で私を滅しようと云うのなら、お前如きの存在―――とうに排除されてる・・・だろう?
ジ:・・・お姉様、本当に憎らしい―――気付いていらしたのですね。
ガ:まあね~♪
それに・・・私たち姉妹が本気で闘り合うとなると、結果この惑星を破壊しかねない―――だろうしね。
〔パライソの英雄・勇者達により、魔皇の勢力に与(くみ)する自分たちは討ち参らされた―――
いや・・・ここにいる三姉妹の長姉の描いていたシナリオ通り、そうさせられた―――・・・
けれども、総ての障害の素(もと)であった大悪が滅んだのをきっかけとして、これから為さなければならないことをするために、
死せる賢者であるガラティアは、壊れた器を修繕し、予(あらかじ)め保険として取っておいたこの二人の魂の欠片を、
本来の目的を動き出させるため、再び元の器に戻したのです。
しかし―――不本意な復活を一番上の姉からさせられ、しかも納得のいかないままで不本意なことまでもさせられたジィルガは、
そんな経緯で目覚めさせられた今回、姉であるガラティアに暴を振るおうとした―――・・・
ところがガラティアは、実の妹であるジィルガが自分に本気で叛(さか)らうことなどないと判っていたのです。〕