≪三節;納得のいかない事≫

 

〔―――それより、どうやらヱニグマの復活の背景には、一方(ひとかた)ならぬモノがあったようで・・・

その一つの例としてあげられるのが、先程もガラティアが口に出していた―――自分の次の妹・・・「ジィルガ=エスペラント=デルフィーネ」・・・。

実はこの人物は、過去に・・・やはりジィルガ自身が可愛がっている末の妹「女禍=ユピテール=アルダーナリシュヴァアラ」と共に、

「ヱニグマ」が率いる「ブラック・ウィドウ」と争い合った経歴がある為、中々ガラティアが出したヱニグマへの裁量に、首を縦に振らなかったのです。

 

では―――・・・ガラティアがヱニグマに課した、罪への(あがな)いとは・・・

 

その前に、現在この宙域において、絶大なる「発言権」「決定権」「判決権」を有していたのは・・・何を隠そう、このガラティアでした。

でも、そのガラティアが一番に悩んでいたこととは―――・・・

 

それは、「フロンティア・現執行官」の一員であり、自分の妹でもあるジィルガ―――

この人物が、ヱニグマの裁量を巡り、姉であるガラティアに激しく抗議をしていたことにあるのです。〕

 

 

ジ:執行官長―――その裁量、私は認めるわけにはいきません。

ガ:ほう―――どうしてだい、デルフィーネ。

 

ジ:・・・よくもまあ、白々しい―――

  ・・・私は、フロンティアに甚大なる被害を与えたこの者の事を、易々とは赦せない―――と、申しているのです。

ガ:はあ〜・・・あのねぇ―――そりゃお前、お前が赦さないっていうのは、お前が好きな女禍ちゃんや、お前が有する「ソレイユ」のクルー達に被害が及んだだけ・・・ってことだからだろ?

  そんなねぇ―――・・・自分の感情目一杯でモノを云っちゃうもんじゃないんだよ・・・。

 

ジ:ですが―――お姉さまっ!

ガ:ああ〜〜はいはい・・・

  まあ―――確かにだね、この惑星の国家元首レベルを扇動し、現在の銀河宇宙連合体では、

  その軍事目的での使用を禁じられている「ある兵器」を使用した形跡が認められているけど・・・

  じゃあさ、今回の元凶ともなった「原子力」―――果たしてこの者から(もたら)された・・・と、云い切れるのかい?

 

ジ:〜〜―――・・・・。

ガ:―――だろう?

  元はと云えば、「抑止力」だか何だか知んないけど―――科学力も技術力も低い内から、あんな危険度の高い兵器をそこら中に創り過ぎて・・・

  放棄できなくなるまでにしちまったのが悪いのさ。

 

  それに―――・・・手元にあるの、見たんだろ・・・。

 

ジ:・・・・これ、本当なんですよねぇ?

ガ:ホントもホント―――残念だけど、あの子の持てるポテンシャルの総ては、この者と引き合って初めてはじき出されるのさ。

 

ジ:・・・「アレロパシー」―――

  あ゛あ゛〜〜ん゛・・・もう! 皮肉な話しったらないわ―――なんで姉である私でなくて、敵であるこいつが女禍ちゃんと〜〜!!

ガ:ええい―――メソメソすんな! 鬱陶(うっとう)しいんだから・・・

 

  しかし―――ま・・・今はこの者憎しだから、認めたくはないんだろうけど・・・幸い時間は沢山ある。

  あとは・・・お前の心変わりを待つしかないか―――ねぇ・・・

 

 

 

 

 

 

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