≪二節;レジスタンス≫
〔それはそれとして―――ロマリア帝國が擁する、要塞都市の一つである「タルタロス」には、
一族の内でも、屈指の実力者が潜み、この都市内部に出来つつあった「潰瘍」・・・いわゆる、『反帝國組織』への援助を、惜しみなくしていたものでした。
そして今日も、そうした「隠れ家」の一つで―――・・・〕
セ:よう―――どうだ、調子の方は・・・。
反:おお、セルバンテスか―――なに、相も変わらず、厳しい状況だよ。
セ:まあ、向こうさんにとっちゃ、「目の上の瘤」的存在だからな。
それで、今度の「集会」はいつだ。
反:ああ―――丁度二週間後に、ちょいとばかしデカイのを控えている。
現在は「種火」の様なモノだが、現政治体制に不満を持っている奴は、ゴマンといる。
なに、一つ火が着けば、立ち所に広まるさ・・・。
〔現在の、「帝國」による独裁体制は、やはり庶民達からしてみても不満だらけのモノであり、それがレジスタンス達の温床になり得ていたのです。
そんな中、セルバンテスは、そうした組織の一つ「セクト」に近付き、あらゆる方面で支援の工面を立てていたのです。
そうした仲間達・・・「同志」が一堂に会し、民衆に蜂起を呼び掛ける「集会」と呼ばれる行動が近々あり、
セルバンテスも、その成果を見納める為、その「集会」に参加をするようなのですが・・・
少し気になる情報を、この後、レジスタンスの指導者から聞かされたのです。〕
反:それより・・・なあ―――お前、一つ気になる噂を耳にしたんだが・・・
セ:・・・話してみろ。
反:ああ、実は―――・・・