≪三節;裏切り行為≫

 

 

〔それはそうと―――前回からの続き・・・

「集会」は、冷酷無比にして人面獣心な人物の手によって、「阿鼻」「叫喚」と変わり、

その手はやがて、レジスタンス達への協力を惜しまなかった、ヴァンパイア達にまで及んできたのです。〕

 

 

ヨ:く・・・やつら、ボク達の逃走経路を、(ことごと)く抑えてきてやがる―――

 

セ:『おい、ヨハン・・・聞こえるか―――』

ヨ:(!)兄貴―――?! 今―――どこに?!

 

セ:『いいから、そのまま聞いてろ。

  どうやらオレ達は、奴に嵌められたらしい・・・。

  だからと云って、このまま手を(こまね)いていても、(らち)が明かねえ・・・』

ヨ:・・・えっ?! 嵌められた―――? 誰に・・・

 

セ:『今の処は、取り敢えずはその事は良い。

  お前はどうにかして、その場から脱出しろ―――それから、例の地点で落ち合おう・・・それでいいな。』

 

 

〔今回の「集会」に参加をしていたヴァンパイアの三人は、それぞれが任意の位置について、この「集会」の行く末を見守っていました。

その途中で、帝國からの横槍が入り、セルバンテスの予測通り・・・その「集会」は、失敗に終わってしまったのです。

 

しかも、「集会」に参加していた者達を、凄惨な目に遭わないように・・・と、用意していた逃走経路でしたが―――

結局のところ、その(ことごと)くを抑えられていて、自分達がそれまで準備してきたことが、総て徒労に終わってしまったのを、思い知らされたのです。

 

そうして行く内に、今度は帝國の憲兵達の手が、自分達にも及ぼうとしていた時、セルバンテスからの思念波(テレパス)を受け、

愈々(いよいよ)の時となった時、落ち合うと云う約束をしていた場所まで、なんとかして辿り着いたヨハンが見たモノとは―――・・・〕

 

 

ヨ:やっと・・・着いたぁ〜〜――

ル:ヨハン!大丈夫?!

 

ヨ:ルカ姉ちゃん、無事だったの―――良かった・・・

  ところで、セルバンテスの兄貴は・・・

セ:ここにいる―――が・・・

  ち・・・どうやらここも、遅きに失していたようだ。

 

ヨ:えっ・・・? あれ、あの人―――

ル:あなたは・・・!

  そんな・・・あの場所からは、誰も抜け出せないはず―――・・・

セ:現実を見つめろ―――ルカ・・・

  それに、今回の「集会」が失敗に終わった原因・・・やっぱりあんたが漏洩元(ディープ・スロート)―――だったようだな。

  そう云うことなんだろう、ユリア=F=クロイツェル!

 

 

〔やはり・・・そこも、セルバンテスが予測していた通り―――安全ではありませんでした。

 

周囲を憲兵に囲まれ、彼らがここに集結することを先読みしていたかの如く、ある人物もその場に来ていた―――・・・

 

この「新章」、『ロマリア篇』より、最初の登場の仕方が鮮烈に印象的に残った、あの女・・・

悠長に、アンブレラを差し、帝國兵士達を手玉に取っていた、あの女・・・

 

そして女は、奇しくもこの場にも顔を見せていた―――・・・

鮮烈な初登場の印象そのままに・・・一本のアンブレラを差し―――彼らの到着を、今や遅しと待ちかまえていた、女・・・

 

今日のこの日、何があるのかを、(すべか)らく知っていた、女・・・

それが、以前と少し違っていたのは、今回は、「帝國側」に(くみ)する・・・と、云った(かたち)で―――〕

 

 

 

 

 

 

 

 

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