≪三節;耳を疑う真実≫
〔それはそうと、この度の、「ロマリア大陸」で起こっている「動乱」を鎮めるため、「大公爵」の「人差し指」から形成された者は・・・〕
ス:それにしても、奇遇なモノだ、な。
100万年前をして、我ら二人が力を併せたとしても、歯の立たなかった相手が・・・この度より、私達に協力をして貰えることになろうとは、な。
ル:・・・え? ちょっと―――ちょっと待って下さい?
それ・・・って、もしかして、あのユリアと云う人のことでは―――でも・・・
ス:うん? なんだ、セルバンテスより聞かされていないのか。
ヨ:ええっ?! するってと・・・じゃあ、兄貴は知ってて―――
セ:オレが知ったのは、「集会」決起の数時間前だ。
それに、既に会場入りしてるのに、連絡なんぞ取り合ってみろ・・・今回こちらが計画してたこと、やる前から台無しになっていた可能性だってあるんだぜ。
ル:でも・・・だとしたら、どうしてあの人―――あんな誤解を招くようなことを・・・
ス:フッ・・・まだまだ若いな、フロイライン。
以前に、私は云った事があったはずなのだがな・・・100万年もの過去に、私たち二人をしても、十二分に苦しめたる者・・・と、
その実力者が、今回を限りに味方についてくれているのだ、寧ろ心配しろ―――と、云う事の方が難しいモノだ。
ヨ:・・・じゃあ、あなたはどうして―――
ス:フフ・・・坊や、だからこそ私は訊きたいのだ。
だからどうして、私を蘇らせたのか―――と・・・
こ奴の、こ奴自身の左手の人差し指をして、この私を蘇らせたる所以を!
エ:―――・・・。
ス:フッ―――敢えて語らじ・・・か。
変わった者だな、お前も。
嘗ては、そこの坊やの様に、純朴そのものだったのに・・・
エ:そう云う汝も、ルカの様に匂い立つ処女・・・だったではないか。
ル:お父様―――っっ!
ス:冗談はそれくらいにして貰おう。
それで・・・いつになったら、私達はその場所へ足を運べばよいのだ。
〔今思えば・・・エルムドアと、スターシアと、ユリアは、奇妙な因果で結ばれていました。
かつては、悪の組織の頂点に君臨し、その者に総当たりで敵対したモノだったのに・・・
それが今では、強力なる「味方」として・・・?
だからこそ、過ぎたる心配をするモノではない―――とはするのですが・・・
この時になって、ようやく語られることとなったユリアのスタンスに、彼らは驚きの色を隠せずにはいられなかったのです。〕