≪三節;人間の皮を被った獣≫
〔それから三日が経ち―――どうやら、この砦本来の守将である者が、帰ってきたようです。〕
兵:帰還なされたようです―――
騎:そうか・・・。
誰:――――・・・。(つかつか・・・)
騎:待ちかねましたぞ・・・。
誰:その女―――間違いはねぇんだろうな・・・。
騎:はい―――おい、そうだな。
盗:へヘヘ・・・・あの夜に、聞いた事を、まんま話しただけでヤンス。
〔今ここに――― このゴモラの砦に戻ってきた騎士・・・
実はこの騎士は、あの夜の出来事―――そう、『女禍の魂を持つ者』を捕らえ、護送していた際に殺害された・・・
あの、騎士団の団長の息子なのです。
しかし――― 一番に奇妙だったのは、かの機関・・・『ギルド』の、それも頭領の部屋の門番が、
この二人の騎士と同じくしていた・・・と、言う事―――
でも、それもどうやら、あのとき―――そう、婀陀那と紫苑がしていた会話を盗み聞きして、
ギルドが解体された折には、自分は職を失うかもしれない・・・
などという、誤った見解に流され―――その上で、自分の身の安全と、生活の保障との引き換えに、
上司を“売った”―――と、言うところのようです。〕
盗:ところで―――旦那方、あっしとのあの約束・・・
騎:おお―――そうか、まだだったな、どれ・・・
ド:(ドズル;あの騎士団長の息子、その容姿はあの団長の面影そのまま、いうなれば、あの団長を20歳程度若くしたかのよう・・・)
いや、待て・・・その褒美、このオレから直々にくれてやる―――
こっちに・・・来い―――・・・・
盗:へっ―――へへへ・・・そいつはどう〜・・・
ド ズ !
盗:・・・も?! あ、あれ・・・?
だ、旦那ぁ〜・・・こ、こりゃいった・・・・(ドサ)
ド:(フッ・・・)一度仲間を裏切ったヤツが、信用なるものか・・・
今度、寝首を掻かれるのが、こっちでは敵わんからな、まぁ・・・悪く思うな。
騎:さすがは―――・・・
ド:ところで、早速だがその女に合わせてもらおう。(キラン☆)
〔しかし、売った相手が悪かった・・・。
所詮、人を人とも思わぬ“獣(けだもの)の集団”に、自分の保身のみを考えている者が、取り入ろうとしたところで無駄だという事が、
この裏切り者には分からなかったのです・・・。
しかも、このドズルなる騎士―――人一人を殺めたところで、顔色(がんしょく)を一切変えることなく・・・とは、
まさにこの者達には、人の血が流れている―――か、さえ、疑わしいようです。〕