≪四節;人ニ非ザルモノ―――?≫
〔そして―――あの騎士団長の息子ドズルが、配下の騎士に導かれるまま、
婀陀那が繋がれている地下牢まで来たようです。〕
騎:ここになりやす―――
ド:ほう―――どれ・・・
婀:(うん・・・?)――――!!!
なっ―――・・・あ、あぁ・・・
ド:(フ・ククク・・・・)どうした、女―――
このオレを見るなり、幽霊でも見るような顔をしやがって―――
騎:ふふ―――どうやらこの女、あんたの顔を見知っているようですなぁ。
婀:そ―――そ・・・んな、まさか・・・
お、お前―――確か・・・死ん・・・
ド:ナニ?!このオレが死んだ?!! 妙な事を言いやがるなぁ・・・(ククク・・・)
―――忘れようはずもない・・・―――
―――この、下卑た笑いを―――
ド:おい!ここにいるオレは『とうに死んでいる』とさ―――
騎:フフ・・・なら―――あんたは『幽霊騎士』ということになりますなぁ・・・
ド:ギャ―――ッハハハ!!こいつは傑作だなあ!!
おい!女!!ようくその色目違いの眼で見てみな!
このオレが死んでいるかを―――なあ!!
〔あの時―――『閨(ねや)を共にせんか』と、言い寄ったときと、全く同質の声―――
しかし、その存在を再び見たときには、哀れなまでの鉄と血肉の塊となっていたはずなのに・・・
それが―――少々若振りになったとはいえ、全き“同じ存在”が今ここに―――??
その事実を目の当たりにし、普段冷静なはずの婀陀那が、混乱に陥ってしまっていたのです。〕
ド:いいかぁ―――よく見ろよ、女ぁ・・・
このオレの親父はなぁ、ある者を護送していた時に、何者かに殺されたんだよぉ!!
婀:な・・・に・・・?
ド:それで―――ようやく、親父の最期の時に丁度そこに居合わせた片割れが、ここに移送される・・・って事を、
キサマの手下から買ったときは、飛び上がるほど喜んだぜ!!
婀:(妾の―――手下・・・?)
ド:まあ・・・そいつにはこのオレ自らが刃を加えてやったがな―――
おい―――ヤツを連れて来い・・・
獄:へぇ〜〜―――い・・・
ド サ
婀:―――!!!(こ・・・この者は・・・妾の部屋の門番だった・・・?!!)
―――・・・・。
ド:へっ―――・・・どうだい・・・仲間に売られた感想は―――
だがなぁ・・・このオレの胸の内は、こんなもんじゃ晴れやしないんだぜぇ・・・
〔そう・・・ここに来て、婀陀那はようやく自分が裏切られ、売られた事を知ったのです。
でも、すでにその裏切り者は、冷たい骸と成り代わっていたのでした。〕