≪三節;消え行く宿命・・・・???≫
〔その一方で――――先行している『槍』と『盾』と呼ばれた者達は・・・〕
槍:そらぁ~~―――!退けぇぇ~~―――いっ!!
盾:おっ、お前様――― ダメだよ、そんなに無理につっこんだりしちゃあ・・・・
槍:何を言うか――― “今この時をもって、総ての開放を認可する”・・・と、丞相閣下がお赦しになられたのだ!
それともお前・・・臆したとでもいうのか?!!
盾:(ムッ!)な・・・なんだい! こっちはお前様を心配してやってるってゆぅのに・・・
そ、それに、私だってヤるときにはヤるんだからね??!
ロ:うヌれぇぇ~~―――い! この裏切り者共めがあぁ!!
槍:フン・・・ロトンギヌスか・・・・面白い、この驃騎将軍の“槍”、その身に受けてみるがいい―――!!
盾:わ―――私だって! いいかい、この車騎将軍の術式・・・甘く見るんじゃあないよ―――!!
驃:
―――フレア・バゼラード―――
車:
―――ネファリウス・スラッガー ―――
ロ:ふほぎゃあぁぁ~~――――!!!
驃:(よし・・・!)先を急ぐぞ―――!!
車:あぁぁ・・・お待ちよぅ~~お前様ぁ!
〔その二者・・・『槍』=驃騎将軍と、『盾』=車騎将軍の前に立ちはだかる者達は、須らく運命を共にしたのです・・・
そう・・・“滅殺”という、運命の名の下に・・・
しかも―――それは、やはり当時からして畏れられていた、かの七魔将をしても同じであり・・・
今、その最後の一人が――――〕
魔:ぬっ!くくく・・・・な、ナゼ・・・こんなにも対応が早かったのだ―――!!
驃:ハッハハハ――――! 知れた事よ!ビューネイ!!
キサマ等の謀り事など、丞相閣下は見抜いておられたわ!! 覚悟するがいい―――!!!
ビ:丞相―――?? 丞相というと・・・
車:あ~あ、そうさね・・・お前達も存じているだろう?! 我らが師、マエストロ様のことだよ!!
ビ:ううッ・・・くく!! お、おのれぇ~!デルフィーネめ!! あの・・・あの淫売が!!
今度会うときを、覚えておくがいい!!
驃:何を戯(たわ)けた事を・・・うぬらなどに―――未来(あす)など・・・・ない!!
〔それは、カ・ルマ七魔将最後の一人、ビューネイの最期の悪あがき・・・・
己の運命の―――最期の今わの際に、とても奇妙な事を言ってのけたのです。
それは―――・・・
“今度会う時を”
しかし、その言葉で躊躇して、目の前の敵を見逃すことなど、そんな愚にも付かないことをしたくないのか―――
果てまたは、このとき既に高ぶり過ぎていた、気を静めることなど不可能だったのか―――
“帝国の双璧”の『槍』と謳われた猛者は、自身が携える灼熱の槍を、眼前の敵の身に加えたのです。〕
驃:喰らぇぇ~~――――――ッ!!
~フレアーズ・フェイヴァリアット・アーツ~
【火力最大顕現】
――アルド・ノヴァ――
ビ:ぅぐぉおああ!!
車:や~~―――ったよ!お前様!!
〔その猛将・・・『槍』の、最終極奥義とも取れるその技を喰らい、滅していくその敵将・・・
――――と、ここで、後から来た皇と、丞相が現れ・・・・〕
車:あっ・・・お師様、見てやって下さい、この人が――――・・・(あら??)
皇:(ね、姉様?!!)
驃:(丞相―――??)
〔しかし―――この時、丞相たる者は、実に思いも寄らぬ行動に、打って出たのです。
それは・・・今、猛将の一人、槍が打ち倒した敵将の亡骸を、改めた――――と、いうこと・・・
ナゼ―――?? それは・・・〕
丞:(クッッ!)・・・どうやら、手遅れだったようです・・・・。
車:えっ?? て、手遅れ―――って、どういう事なんですか? 現に、こいつはこの人の槍に貫かれて・・・・
丞:それは・・・この者の残骸から出ている、残留瘴気濃度が余りにも低いからです。
驃:な・・・にぃ?! 瘴気濃度が??
皇:・・・・と、いうことは、つまり――――
丞:そう―――・・・お前達は、この者達の抜け殻と闘っていたに過ぎないということ・・・・
考えても見なさい、今までに苦戦を強いられてきていた相手が、奇襲を受けたにせよ、こうもた易く滅せられることの出来る存在だったのか―――を!!
驃:な―――・・・・で、では、彼奴は・・・サウロンめは?!!
丞:恐らく・・・・もうすでに、ここには存在していないのでしょう・・・・。
車:そ――――んな・・・・
丞:ですが―――ここで、手を拱(こまね)いているという事こそ、愚の骨頂というものです。
さぁ・・・一刻の猶予も儘ならない、このまま玉座の間まで踏み入り、その証拠となるモノを掲げて、
この戦乱が終わった事を、天下に知らしめるのです―――!!