≪二節;“血”の刀を携えたる者≫
〔そして―――何の、他愛もない存在に言い負かせられ、反論できないでいるカ・ルマの兵達・・・
――――と、そこへ・・・〕
ダ:どうした―――何をしておるのだ・・・
兵:ああっ―――これは、軍酒祭謀・ダイン様、いえ・・・実は―――
ダ:フン―――なるほどな・・・。
おい、小僧、お前・・・そこに斃れている者が、どんな奴か判らんのか?!
子:わ、判るもんか―――!
だけど・・・お前達より悪いヤツじゃないことぐらい判るッ―――!!
ダ:(ちっ―――・・・)小僧が・・・いっぱしの口を利きよるわ。
おい―――そこの、この化け物と、その小僧の始末・・・・ちゃんとつけておけよ。
兵:はっ―――・・・・で、理由はどのように?
ダ:なぁに―――その化け物の子供・・・とでもしておけ。(ニヤ)
兵:ははっ――――
どれ・・・悪く思う―――――
なぁっ?!!
ダ:(・・・・ん?)どうした、ナニが起こっ―――― な、なんだ・・・お、お前は!!
〔以外に、事態が好転しない事に、痺れをきらせたのか・・・
今回のコトを起こすのに、その謀略の担い手の一人として、この軍団に参加をし、
一方の隊の指示・指揮をしていた、軍酒祭謀のダインが、事態の収拾を計るべく覗いてみれば、
大の大人が、幼い小さな子供に言い包められるのを見て、なんとも苦々しくも思った反面、
面倒な事よ――――と、思いながら、竜の騎士の遺骸とともに、その子供までも葬り去ろうとしていたようです。
ですが―――
ダインから、その支持を受けた、兵士の腕は、刀剣を持ちながらも、その頭上より下がることはなかった・・・・
なぜならば――――〕
誰:ふ――――ふふふ・・・・丁度この付近で作業をしててよかったよ・・・・
よく見りゃ、ここが強襲されてッし―――おまけに、アタシの戦友(とも)までも――――!!!
覚悟・・・・できてんだろうねェ――――(ギラリ)
ダ:(な・・・なんだ、こやつは―――、さっきまでいなかったはずなのに・・・それがいつの間に??
それに、なんなのだ―――こやつが携えている、あの禍々しき色をした刀は・・・)
〔そこには―――赤黒き、まるで“血の濁り”を、そのまま刃の形にした武器を携えていた者が・・・・
今、ハイランダーと、それをかばおうとした子供に断を下さんとしていた刹那―――
どこからともなく現れ、その兵士を一突きに刺殺していたのです。
でも――― そんな存在を目の当たりにしても、またもこの子供は・・・・〕
子:あ―――あれ? も、もしかして・・・サヤのお姉ちゃん??
サ:(フ―――・・・)お前、小さいのによく頑張ったねェ。
このアタシの・・・昔ッからの親友を、その小さな形で庇おうなんて―――中々見上げた根性じゃあないか。
子:ええっ?!こ、この・・・キリエの姉ちゃんが、サヤ姉ちゃんの・・・親友?!!
すると―――サヤ姉ちゃんて・・・・
サ:そんなことより・・・ちょっとどいてて――――
今から、この人の身に刺さっているもの――――除かなきゃならないからね・・・・
≦オン・・・・・ソワカ≧
はあっ――――!!
ぼうっ〜
子:うわっ――― (・・・って)あ、あんなにあった武器が・・・
ダ:そ、そんな出鱈目な―――あれだけの数を・・・そ、その一念だけで燃やし尽くしおったのか―――??
(し、しかも・・・その念と同時に組んでいたあの手指の形・・・)
おのれ―――こんな真似が出来るお前は、何者だ!!
〔ハロゲン・フィラメント――――『木は火を生む』の通り、ドラゴン・スレイヤーに括りつけられた柄の“木材”から、火を“発生”させ、
やがては『火は金に勝つ』の通り、金属製のドラゴン・スレイヤーを燃やし尽くした・・・サヤが行使した『魔術』。
夜叉火輪印――――ダインも気付いたように、サヤが上記の魔術と、ほぼ同時に行使していたもの。
(ちなみに、この手指の形を成していると、集中力・魔力・術の付加力などが、軒並み底上げされる)
そして――――これらの意味するところとは・・・・〕
サ:(フフフ――――・・・)知りたいかい? このアタシが何者か・・・
だがねぇ、自己紹介をする前に、もう一つやっておかなきゃならないことがあるのさ―――!
ダ:な―――・・・んだ・・・と?
〔そして、これからとても奇妙な出来事を――――― この者達は、目の当たりにするのでした。
なぜならば・・・〕