≪五節;その顔に―――見覚えありき≫
〔そして―――進むのも・・・ましてや、退く事も儘(まま)にならず、いわば“八方塞り”となってしまったナオミ―――・・・
でも―――???〕
ヴ:(じぃぃ〜〜・・・)あ゛――――・・・あれ??
あ〜〜んた・・・確かどっかで―――・・・
あっ!!あんた、鑑定士のナオミか??!
ナ:(うぅっ―――・・・って、え??)・・・・はい?
ヴ:あ〜〜〜―――いや、なぁ〜んだ、そうだったのか〜〜―――
それならそうと、早く言ってくれりゃあよかったのにぃ・・・・
ナ:えぇ〜〜―――っ・・・・えっ・・・と??
ど、どうしてアタシの事を―――・・・
ヴ:やだねぇ〜〜―――ほら、私だよ、わ・た・し―――・・・・って、ホントに知らない??
ナ:・・・・知らない―――
ヴ:(ガクぅ〜〜)あっ・・・そ――――
ん〜〜――――とね、まあ、早い話、私も以前にはあの夜ノ街のギルド・・・って機関に所属してた事があってさぁ。
ナ:・・・えっ??!あの街の―――あの機関に?!!それも・・・ヴァンパイアが??!!
ヴ:そ♡ま・・・私がヴァンパイアだ・・・ってことは、周りにも伏せて置いたことなんだけどね。
知らなかった―――?
ナ:う・・・うん――――
ヴ:なっはッは――――中々素直でよろすぃ!!
まァ―――あんたが私の顔を見知らんのも無理ないか・・・
こうやって、互いが顔を付き合わせること―――って、そうそうなかったし・・・・。
でもね―――こっちは、ちょくちょくあんたと・・・あの姫さんが一緒にいてるとこ・・・見てたんだよ。
ナ:えっ―――・・・あの女(ひと)と、一緒の―――?!!
ヴ:そ―――あ、あとそれから・・・
こっから先―――人間が入ってっちゃダメなんだぞぅ?!
ナ:ど―――どうして・・・
ヴ:どうして・・・・って、ここら、私らのテリトリーだもん。
ナ:あっ―――なぁる・・・(ぽん――☆)
ヴ:(ヤレヤレ―――)さて・・・と―――それより、私らの合流地点に向かうとしようか。
多分、そこにはあのおちびちゃんもいるだろ〜し。
ナ:あっ―――そうだった・・・マキの事、すっかり忘れていたよ・・・。
ヴ:しっかりしろよ〜〜―――?あんたが忘れてちゃ、あの子路頭に迷うぞ?!!
ナ:・・・有り難う―――
それより・・・あんたの名は―――?
ヴ:おっ・・・・と、そうだったね―――
サ:私の名は、サヤ=ヴェダ=ゲオルグ・・・よく覚えときな、ナオミ=サード=アミテージさん。
〔ナオミの・・・以前の職業の事を知り・・・しかも、彼女の名をも知っていたそのヴァンパイアこそ、
以前にギルドに所属していたことのある、―――サヤ―――だったのです。
それから間もなくして―――かの魔獣・トウテツとの合流地点に、姿を見せるサヤとナオミ・・・〕
マ:(うん―――?)おお・・・これは―――
サ:よぅ―――待たせたな・・・。
こっちの方は、捕まえてみたら顔見知りだったよ。
マ:・・・・そうでしたか―――
ナ:こいつ―――人の言葉を喋るのか?!!
サ:そ・・・ああ、そうそう―――
おい―――そのまんまじゃお客人が驚くから、姿を変えな。
マ:そういわれるのであれば・・・・。(しゅぅぅ・・・)
初めまして、私は“マダラ”と呼ばれる者です。
〔その・・・魔獣のトウテツは、サヤからの呼びかけで、ナオミたちとさして変わらない・・・人間の姿になったのです。
しかも―――その美貌は美しくもあり、どこか妖しげであり・・・男性的でもあり―――また女性的にも見える・・・
その魅力は、ヴァンパイアであるサヤにも負けずおとらじ・・・と、言ったところのようです。〕
ナ:うわっ―――・・・こいつはまた・・・どえらいのが出てきたなぁ―――
サ:どうだ〜い、ビックリしただろ。
ナ:あ・・・ああ―――それより、マキのやつは・・・
マ:マキ・・・?ああ―――その方でしたら、あちらに・・・
ナ:えっ?!ホントに――――・・・(って)あら・・・
マ:zzZZ・・・(クカ〜〜―――スカ〜〜―――)
サ:おやおや―――(クスクス)無邪気なもんだよねぇ〜〜―――
こんな騒動あったところで、眠れるなんて・・・案外こりゃ大物なんかも知れないねぇ。
マ:んん゛〜〜―――も・・・もう食べられなぃ・・・・(むにゅむにゅ・・・)
――――ん゛!?(ビクッ!)あ゛〜〜〜――――・・・(ぼ〜)
あぁ・・・ナオさん、おはよ―――ごぜぇまァ・・・・(ふわぁ〜あ!)
ナ:(く・・・くぉんのぉぉ〜〜―――!##)マぁ〜キィィ〜〜〜――――っ!!#(ぐりぐり)
マ:はちゃちゃちゃ〜〜――――っ!い゛でっ・・・いでで〜〜〜!
な・・・何するんスか―――! 寝起きのアタシにッ!!
ナ:お前―――・・・他人が死ぬほど心配してやってるッっ―――のに、
高イビキで寝てるッつぅのは、いい度胸ぢゃあねぇか―――あ゛?!##
マ:え゛っ―――・・・あっ、あのぉ〜〜〜、これは、そのぉぉ〜〜〜――――(滝汗)
ナ:・・・・このこと、=鵺=のヤツが知ったら、なんていうかなぁ〜〜?!
マ:い゛い゛ッ!? そ―――そりだけはごカンベン―――☆
つか、この人たち・・・誰?
ナ:お前に―――告知する義務は・・・・ない。(ペキペキポキポキ)
マ:あ―――・・・あれ?ナオさん・・・『北○の拳』のケンさんみたいに―――・・・
ぎょえぇ〜〜―――! お〜たぁ〜しぃ〜けぇぇ〜〜〜!!
マ:・・・・な、なんだか、他人事のようには、見えませんね―――
サ:ヒッ―――ヒヒヒヒ・・・・(←激しくツボにヒット中)
〔今回、お互いが組む事になったマキとナオミ・・・
でも、この一帯を支配している者達によって、二人は散り散りになってしまい・・・
けれど、ナオミは、その組織のリーダー格だったからであろうか、最年少のマキの事を心配してやっていたのですが・・・
当のマキは、すやすやといい寝息を立て・・・しかも、なにやら寝言まで出ている始末―――
そんな者に、心配してやったことを激しく後悔し、その反動で憤ってしまうナオミ・・・・
でも、ちょうど同じ場にいた、トウテツの化身マダラと、ヴァンパイアであるサヤは、
いつもどこかでよく見ている光景と酷似している・・・・と、思ったのです。〕