≪二節;考案者≫

 

 

〔敵勢に抗する対処法―――<篭城編>

@    その“力”に、強引になするのならば、まづ外郭たる門を硬く閉じ、これに拮抗すべし。

然る後、相手側の戦意が減少傾向にあるようならば、門を開け放ち、これを須らく打ち払うべし。

A    周囲を取り囲まれ、兵糧攻めにあったならば、砦内の兵糧を細く長く食い繋ぎ、

宜しく援軍を待つべし。

 

 

そう―――・・・そこには、まさに篭城戦の手法に倣ったモノが存在しえていたのです。

ですが・・・哀しいかな―――その手法を作成したのは、他ならぬギャラハットだったのです・・・。〕

 

 

ヒ:・・・お養父さん―――篭城戦に対すべく、門外に取り残された者達を、捕縛しました・・・。

ギ:うむ・・・まづはそれでよい――――

 

ヒ:あの・・・お養父さん―――!!

ギ:何も云ってはならん―――ヒヅメ・・・

  お前とて分かっているはずだ、一度敗れたワシらが、ナゼ生かされているのか―――を・・・。

 

 

〔結論だけを申し述べると―――この戦線では、血が一滴として流れることはありませんでした・・・。

 

なぜならば―――この戦術を唱えた者は、無論それに抗えるだけの戦術を持ち合わせている・・・

 

そして―――今・・・それは実行に移されようとしていたのです・・・・〕

 

 

兵:・・・・うん?? あっ―――おい、見てみろ、敵陣から誰か来るぞ・・・

兵:使者にしては数が多い―――・・・いや・・・あれは―――!!

 

兵:ああ・・・そうだ、先程捕まった、オレたちの仲間――――

 

 

〔そこには、この度捕まったとされる自分たちの同胞――――

その彼らが、一人の使者に従い、またこの砦に戻ってきたのです。

 

どうして・・・?? それは――――・・・〕

 

 

兵:おい―――無事だったか??!

囚:ああ・・・ああ―――当然じゃあないか・・・あのギャラハット将軍が、オレたちを―――

 

兵:ああ―――そうだよなぁ? 何かの間違いだ・・・

兵:じゃあ・・・でも、なんで―――ここに戻って・・・

 

囚:そこなんだがな―――?

『お前たちは戦には不向きだから、今から帰って自分の畑でも耕していろ』

  だって―――・・・

 

兵:そうか―――そうだよなァ・・・なんていったってオレたち・・・

兵:ああ―――他の国と違って、“戦”が主体じゃあないからな・・・

 

囚:そうそう―――そういえば・・・オレの畑、無事なんだろうか・・・

 

兵:そういわれてみれば―――オレのところも・・・

 

 

〔そこにいたのはクー・ナの兵士・・・けれど、彼らは『半士・半農』の者達だったのです。

 

つまりは―――普段は他国にいる農民たちと同じく、農耕で生計を立てているものの、

いざ国の有事ともなれば、盾や剣・槍などを手に取り、お国を護るために闘う・・・

 

されど、そんな彼らの最大の関心事は、“闘う”ことではなく、寧ろ“自分の田畑の状態”がその主観にあったことは、

さすがに否めなかったことでしょう。

 

 

だから―――・・・そこに――――・・・

この虜囚たちに混じり、砦内に紛れ込んだ 眼光の鋭き者 のことなど、誰一人として知る由などなかったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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