≪二節;現状況の判断≫
〔その地域に、カ・ルマ軍が確認されてより、数日後・・・
かの方面での前哨基地である『クレメンス砦』に、集結する“雪月花”の三将は―――〕
イ:皆―――ご苦労です。
それで・・・状況は。
兵:はっ―――『パロア』方面より一万五千と、『カデンツァ』方面からも二万五千・・・
併せますと四万もの軍勢が、こちらに拮抗すべく陣営を結んでいるようであります。
イ:(一万五千と二万五千・・・総勢四万ですか―――)
それに比べ・・・こちらは三万未満―――数の上だけで勝負をするというのなら、厳しい展開になりそうだけど・・・
リ:ええ―――でも、ここは私たちの機知と覇気で・・・
イ:・・・そうね―――
(だけど・・・とても気になる―――この戦当初から胸が騒いでならないのは、どうしてなのだろう・・・)
〔第二の報告では、カ・ルマのどの方面よりからと、その規模が伝えられました。
そこで知りえた事とは、『パロア』と『カデンツァ』の二方面からと、併せて四万もの軍勢・・・
それに対しては、こちらは三将の軍合わせて、総勢三万足らず・・・
つまり、兵の数では圧倒的にカ・ルマ側に分があったのですが、
リリアは古えの将の弁宜しく、『機知と覇気にてこれを撃退すべし』としたのです。
しかし―――ここで諸兄らにはお気づきになられただろうか・・・
そう・・・この四万もの軍勢を束ねたる者達を・・・
『パロア』『カデンツァ』方面を守備していたあの“兄妹”―――
“仁君”ではなく、“暴君”の信奉者である ヴェネフィック の――――
ヨミ=ジキル=ゲンシャー
ヨキ=ハイド=ゲンシャー
あの“兄妹”のことを―――・・・
だから・・・だったのかもしれません、イセリアがこの出兵当初からいやな予感がしていたというのは・・・。〕