≪二節;“彼”―――と、いう存在≫
〔それを見ていた―――イセリアに、セシル・・・ジュヌーンは・・・〕
イ:・・・あの者は―――!?
セ:・・・この気―――只者ではありませんね!!
ジ:ボクに任せておきな〜〜―――!
〔仲間の一人と―――恐らくカ・ルマ軍の大将格とも思える者とが、
相対峙している場面を見て―――リリアの下へと駆け寄る三人。
ですが・・・総がかり四名をしても―――〕
イ:煌めけ―――わが剣、エクスカリバー・・・!!
そこな者―――敵の大将とお見受けいたします・・・たぁああ――――っ!!
ドザザザザ――――
リ:ありがとう―――イセリア・・・
それに、全斬撃が入ったわ! これで、この御ン大将も―――・・・
〔その存在も“聖剣”の露と消える―――・・・もの、と、誰しもがそう思いました。
なぜならば―――雪月花の三将の筆頭である“雪”のイセリアの携えし剣は、
ハイネス・ブルグの至宝でもあり―――その剣全体に、『聖属性』の魔法がエンチャント<付与魔術>されているという・・・
紛れもなく、 【聖剣】≪エクスカリバー≫ なのだから・・・。
ですが―――・・・たった一つ、その期待と予想を裏切ったこと・・・
それは、この聖剣の総ての斬撃が、敵将に入ったとしても―――片膝や片手を地に付かせることもなく・・・
見る見るうちに斬り傷が塞がっていき、治癒していく事実・・・
それを見た四人は――――・・・〕
セ:な―――ナニ・・・あれ・・・き、傷が・・・
リ:見る見るうちに・・・塞がって治っていく―――!!?
イ:(これは―――まさか・・・?!!)
ジ:――――・・・。(ゴク・・・)
キ:・・・・・・・・・・。(コリ・・・コリ・・・)
―――ふふ〜ん・・・どうしたぁ〜? それまでかぁ――――・・・(ニィィ)
セ:(く・・・ッ)ならば―――次は私!
わが剣―――イクセリオン! ヤツの傷が塞がるより早く斬り刻め!!
〔けれども―――・・・またしても付けられた傷が、その斬られた箇所より素早くも塞がっていく相手の姿が・・・
その事実により、“とある存在”の蔭を匂わない訳にはいかず―――今まさにイセリアがそのことを口にしたところ・・・〕
リ:ば―――バカ・・・な・・・この私たちの、三人の剣の斬撃を受けても、まるで平気・・・だ、なんて―――
イ:・・・・まさか―――あなたは“ヴァンパイア”?!!
セ:(え―――・・・っ?!)
キ:(ピク)・・・・なんだと?! このオレ様が―――吸血鬼??!
冗談も大概にしろよ・・・なんでこのオレ様が、あんなやつらの手先にならなくちゃあいけねぇンだぁ!!
リ:うぅっ―――??!(な・・・なんてヤツなの?今までより、いっそう気が膨れ上がってッ!!?)
セ:(ま―――まづいわ・・・これで、このままかかられたら・・・例え私たちでも、ひとたまりもない!!)
イ:(ッッ―――く・・・)では・・・・なんだというの―――?!!
〔いくら・・・深手の傷を負わせても、畏るべき再生能力で元に戻っていく―――・・・
その様子を見て、“雪”のイセリアは、“最も忌むべき者である証”・・・そのことを口にしたのですが、
キュクノスは“そうではない”といったばかりか、その存在たちと間違われた事で激しくも怒り、
そのおかげでその場に居合わせた四名の命は、危うくなってしまったのです。〕