≪四節;クレメンス戦役≫

 

 

〔―――が・・・しかし、無情にも魔将の得物は、確実に犠牲となる者を捕らえ・・・〕

 

 

キ:がぁ〜〜―――ッはっはっはぁ!! さぁ・・・あの世に逝くがいい!!

 

ギャラララ− − −・・・

 

ジ:うぅっ―――ぐうっ・・・あ゛がぁ゛ぁ―――・・・

イ:(パパッ――・・)・・・・ジ・・・ジュヌーン??

  い―――いや・・・っ・・・

 

いやぁぁ〜〜――――っ!

ジュヌーン ―――!!!

 

 

〔逃げようとする者を、容赦なく百足は捕らえ・・・そして思いの様引いたとき―――

そこにあったのは、身の程を弁(わきま)えなかった者の、無惨で哀れな・・・臟(はらわた)をブチ撒けた姿でした―――

 

それを―――・・・自分の想い人を、目の前で弑逆され、彼の血飛沫(ちしぶき)を顔に受けてしまったイセリアは・・・

明らかなるまでに冷静を欠き―――終(つ)いには・・・〕

 

 

イ:おぉっ・・・おのれぇぇ〜〜―――ジュヌーンの仇敵・・・!!

 

キ:ンフハハ―――・・・かまわんぞぉ〜? かかってくるがいい・・・キサマもすぐに、冥土に旅立たせてやる―――(ニャァ〜)

 

イ:云われるまでも―――!(クワ!)

薙ぎ払え―――

わが

エクスカ―――・・・

 

―――〜ぐいん〜

 

〔剣との、誓約の証を唱え、まさに打ちかからんとしたその時―――

しかしイセリアの身体は、自分の意思とは反する方向にむかった・・・・

 

いや―――正確には、彼女を失いたくないとする者達の手によって、

イセリアとキュクノスとの間を、強引に引き離された―――からなのです。〕

 

 

イ:リバ――――・・・

  (え・・・?)な、何をするの?!!

 

セ:(ギシッ――)(っ・・・く!う、腕が軋む・・・)

  イセリア―――今は退くのです。

 

イ:な―――ナニをバカなことを云ってるの!!?

  あの人の・・・あの人の仇敵を・・・私が取らなくて、誰がとるというの!!?

セ:その気持ちは判ります。

  けれども、少なくとも今はその時ではないのよ―――!!

 

イ:(!!)セ―――セシル・・・

セ:・・・リリア、こちらは確保しました―――!!

 

リ:そう・・・だったらクレメンスまで退いて―――

  ここは・・・殿(しんがり)は、私が受け持つ―――!!

 

セ:お願いよ――――(リリア・・・あなたも、今、死んではダメよ・・・)

 

 

〔“魔将”を討ち取るため、騎馬に鞭打って突進をかけるイセリア―――

でも、彼女騎乗の馬は、前に進むことはなく・・・後方より来た何者かの手によって、違う方向へと誘われていったのでした。

 

しかし―――その手の主は、味方である“花”のセシル・・・

しかも彼女の腕は、その肘の先から悲鳴を上げていました。

なぜならば、まさに今、突撃をかけんとし―――鞭入れられた馬の手綱を掴み、腕力のみで止めていたのだから・・・

 

それでも、大事な仲間を失いたくないため、三人が一丸となって、新たなる目的・・・

―――クレメンスへの撤退―――に、全力を注いだのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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