≪二節;蠢動する“悪意”≫
〔それは、その年の収穫の時期に、こんな事が―――・・・
その身にも、旗指物も、騎乗している馬も、その馬具も、総てを『漆黒』で統一した、怪異なる集団が・・・
そう、この集団こそ、現在(いま)で言うところの、カ・ルマの騎士団だったのです。〕
ザ:(ザルエラ=タナトス=スービエ;カ・ルマ七魔将の一人であり、その非人道的・嗜虐的人格には定評がある。)
GUFFF・・・・さぁ――――者共よ、思う存分奪い去れぃ―――!!
イ:ギャ―――ッヒッヒ!
ホ:ヒャ〜〜―――ッハァ!
ド:うぅ〜〜――――らァ!
〔そこに在ったのは、紛れもなく『人間』―――ヒューマンではない者達・・・
インプやホブ・ゴブリン、ドビーなどは、魔界の生物・・・なのです。
それが―――そんな、身体能力的にも、人間に優れる存在たちに、
武器などを持ち合わせていない民達が、どうして抗えるでしょうか―――
それこそは、まさに“生きた”“地獄”――――文字通りの『蹂躙』がそこには展開されていたのです。
そして、そこに―――〕
ジ:お待ちなさい――――!
ト:あんッ―――?! なんだ、女か・・・
ジ:お前達が、何処の者達の手の者かは分からないが・・・
これ以上の狼藉を働くようなら、この私が許しておかないっ―――!
ト:ギャ〜〜―――ッはっはっは!
“これ以上の狼藉を働くようなら、この私が許しておかないっ―――!”てか??怖ぇぇ〜怖ぇぇ〜〜・・・
じゃあよう・・・もしこれ以上の狼藉働くってンなら―――― 一体どんな風になるのかなぁ〜〜?
ジ:(ムッ―――・・・)知れた事・・・・滅させて頂く――――まで!!
ト:はっ――― 面白れぇ・・・じゃあ、滅させていただこうじゃあねェか!!
ジ:望む―――ところ!
{オン・キリク――――・・・・}
〔当時をしての、『巫女』の役割とは、“神々の信託を受ける”という、『僧侶』(プリースト)役と、
こういった『魔』なる者を“討ち平らげる”という、『退魔師』(エクソシスト)役という・・・実に優秀な『魔術師』(カバリスト)なのです。〕
ト:グギヤァァ――――・・・・
ジ:(ふ・・・う―――)
タ:おぉ〜〜―――い!姉ちゃ〜〜ん!
ジ:あら、タケルちゃん・・・そっちのほうも終わったの?!
タ:うんっ―――当然だよ。
僕の『貮蓮』と、姉ちゃんの『術』さえあれば、向かうところ敵なしさ!!
ノ:(ノブシゲ=タイラー;タケルと同年代の若者、彼とは親友であり、この当時は『侍大将』に就いている)
おぉ〜―――い、老中―――!
タ:な・・・なんだよノブシゲ、折角いいところだったのに。
ノ:“なんだよ〜”はないだろ?! あっ、これはジィルガ様・・・。(ペコリ)
それより、大老様に今回のご報告をしないと――――
タ:えェ〜―――ッ、面倒だなぁ・・・ノブシゲ、お前代わりにやっといてくれよぅ。
ノ:はぁ?!そりゃないだろ?? 大体お前はオレより上役なのに、面倒だからってだけで、それを下の役の者にさせる―――・・・って、
タ:け、けど―――さぁ・・・
ジ:こ・らッ――― タケルちゃん、わがままいわないのっ―――
タ:は・・・はぁ〜〜―――い・・・(ちぇっ)
ジ:その代わり、帰ってきたら、思いっきりハグしてあげるから♡♡
タ:う、うんっ―――絶対約束だよ?!!
ジ:はいはい―――
タ:それじゃ――――行ってくるよ。
ノ:・・・・・あの、ジィルガ様、ほ、本当にあいつと―――ハグハグしてるんです・・・か??
ジ:ええ、そうだけど―――それがなにか?
ノ:い―――・・・いえ・・・・(く、くそぅ〜タケルのヤツめ、うらやましいなぁ〜・・・)
〔そして、彼女の術によって倒されるトロル・・・・すると、程なくして、別の方面でも戦闘があったようで、
そこで戦っていた、タケルと、彼の幼馴染のノブシゲが、その戦闘の終了とともに、ジィルガの下へと馳せ参じたようです。
でも、そこには・・・“護る者と護られる者”―――ではなく、たとえ一回り歳の差が違っていたとしても、“男女”があったのです。
その一方――――こちら、今回の襲撃に失敗した、カ・ルマの陣営では・・・・〕
ク:ザ、ザルエラ様〜〜―――
ザ:どうした―――、クリュプスよ、騒がしいではないか。
ク:それが――――ちょっとお耳を・・・
ザ:(ぅん?!)・・・―――ナニ?! この世に、『シンゴン』を扱えるヤツがいるのか??
ク:はい――― しかも、此度の軍(いくさ)では、『貮蓮』らしき業物を振るうのもいるようでして・・・
ザ:(ふむぅ・・・)そうか、ならば体勢を立て直すために、一端退くべきだな。
ク:し―――・・・しかし、それでは・・・。
ザ:(ククク―――・・・)まぁ、一時(いっとき)の勝利の美酒を、味わうがよいわ・・・。
そして、改めてオレ様の用いたる『デストロイヤー』で、更なる絶望を啜ってくれるわ!!
ク:おぉ―――なるほど・・・つまり、有頂天となっているところから、すぐさまドン底に叩き落す―――ということですか。
その時のあやつらの絶望感ときたら、どのような旨味を醸し出すのでしょうなァ・・・。
〔この国の、思いもよらない抵抗で、一時的に撤退をするようなのですが・・・。
ここで違えてはならないのは、彼らの退却も、抵抗している者から、更なる“絶望感”を浸らせる為だということであり、
また、そのものを『糧』としていた事には違いはなかったのです。〕