≪四節;身の置き処≫
〔そして―――次なるは、この謎の人物の反撃の機、自身の術式の総てが通用しない、今となっては、
どうすることも出来ないジィルガ―――・・・〕
ジ:(うっ―――く!!)わ、私を・・・どうしようというの―――?!
謎:あ゛〜〜―――ちょいと??お嬢さんてば・・・
なんもさぁ、とって喰おうって言うんじゃないんだから、そんなに構えてもらっちゃあねぇ〜〜――?
ジ:(えぇ?!)でも―――私・・・
謎:あぁ〜〜、どんなにレベルが高かろうが、ヒューマン如きがこの私に勝とう―――だなんて無理無理、
たとえ数万年かかってもムダなことだよ。
ジ:でも―――・・・と、いうことは・・・・
謎:(う゛ふ♡)知りたい? でも、おせぇてあげなぁ〜〜〜い♡♡
ジ:・・・・は??
謎:そぉ〜〜〜ンなことよりも♡ 早速で悪いけど、見させて貰うよ―――
〔その人物との戦闘の敗北感より、自分の持っているモノを取られると思い―――
もはや総てを観念し、今までの事が走馬灯のように頭を過(よ)ぎってしまったのですが・・・
皮肉にも、その人物の口から吐いて出たのは、やもすれば他人を茶化したような言い方、
それゆえに、少々ジィルガも戸惑ってしまったようなのですが―――
それにしても、この人物の“本懐”、何をして見極めようというのでしょうか・・・〕
謎:ふぅん―――・・・(じぃぃ〜〜) 期待したけど―――外れか・・・
ジ:ぇえ?! な、ナニが―――
謎:あんたも・・・気付いているようだから、言っといてあげるよ、あんたは―――違う。
ジ:(ギク!)な、何の事を・・・・それに、ナニが違う―――・・・・と?
謎:あんたが、『女禍の魂』を“持っていない”――――ってことが・・・さ。
ジ:ナニを理由に―――そんなことを・・・
謎:“理由”? 理由なんてないさ―――じっくり見さえすれば分かることだよ、
瑠璃と破璃を見分けるにしても――――ね。
ジ:あなた――― 一体何者・・・?
謎:やぁれやれ―――またその質問かい?
まァ――― 一つに言えることは、私はあの子の・・・『女禍』の身近なる者だ――――ってことだよ。
ジ:(え・・・?)で、でも―――その方は、現在より七万年前に・・・・
謎:まぁ〜〜―――そこなんだけどね?
あ゛あ゛〜〜―――! こっから先の説明、面倒くさいッたらありゃしないから、この事実はなるだけ知られたくはなかったんだけどねェ〜。
ジ:せ・・・説明が―――“面倒”??
謎:そうだよ、ま、その分はこれから先に述べられていくことだろうからさ、省かせてもらうとしてぇ〜〜―――
私の知りたかった事も分かった事だし、おさらばするとしようか。
そぉ〜〜――れじゃあねぇ〜〜――♡
〔それは・・・ただ、ジィルガの瞳を覗き込んだだけ・・・
それでも、その人物は、ジィルガが『女禍の魂』を有していないことを見抜いてしまったのです。
(でも、この人のこの“やり様”は―――・・・?)
そして、ジィルガのほうでも、自分の事をそうだと信じて止まない、この国の役人達に、
今更どう言っていいかも分からず、このことはなるべく悟られないよう―――自分の胸のうちに秘めていたのです。
でも―――赤の他人であるはずの、この“赤毛”の謎の人物は、自分の事を見抜いてしまった・・・
そのことに動揺を隠せないのですが・・・。
奇妙な事には、この人物は、その事を識ると、この場所から立ち退くようなのです。
―――と、その時に、意を決したジィルガが・・・〕
ジ:あ、あの―――お待ちを! は、恥を忍んで、一つ聞きたいことが―――・・・
謎:・・・・本当は、“一つ”じゃあなくて、“二つ”―――・・・
“一つ”は、『清廉の騎士』のあの少年と・・・“もう一つ”は、今後のあんたの身の振り方―――だろ?
ジ:(ぇえ?!)な、なぜ・・・そこまで―――
謎:あっちの―――あの坊やは本物だよ、紛れもなく・・・ね。
だけど―――あんたは、違う・・・
ジ:・・・・・。
謎:それに―――、今更“私は違います”などと申し立てても、あわよくば『冗談』と取られるか―――
“最悪”のパターンなら、この国の・・・あんたを“そうだ”と信じて止まない者達を、大いに落胆させかねないことだしねぇ・・・。
ジ:は―――・・・あ・・・。(しょんぼり)
謎:まぁ〜、私にしても、今の状況をまぜっくりかやして、ややこしくするよりも、久しぶりにこっちに帰ってきたことだしィ〜♪
もちッとだけ、見聞拡めたり、色々満喫するのも悪るかァないことだしねェ。
ジ:(え・・・?)ひ、久しぶり―――?
謎:ン〜〜――?! あぁ〜、こっからちょいと遠ぉ――――い処にいてたもんだからねぇ?
こっちの情勢というのも、あらゆるトコが変わってて、さぁ〜〜――――ッぱりなのよ、だ・か・ら、そぉいうことで・・・ね♡?
ジ:・・・・・あの、その『遠い処』というと、ヴェルノアのサティ−とか、クー・ナのベジュル―――ですか?
謎:へ―――?? あぁ・・・いや、ちっがぁ〜〜〜――――う!! もっと遠い処・・・・
そうだねぇ〜〜敢えて云うとなると・・・
『次元の狭間』
ってトコかぁ〜?
ジ:(じ―――次元の狭間!!)ま―――まさかあなた・・・・いえ、あなた“様”は!!
その昔、自らをかの場所に置いたとされる―――・・・
死せる―――・・・
〔その時―――その者が、何者であるかを知るに及び・・・ジィルガは奮えが止まりませんでした・・・。
初見の当初は、なんとも“小憎らしい”口の利き方をするものだ・・・と、見くびってはいたのですが、
『総ての事を識ろうとする探究心』、『自分の術式が通じない事』、『自分が云わんとしていたことまで、ずばりと当てた洞察力』
それだけで、“只者”ではない・・・と、薄々感付き始めたのです。〕