「過去」の時代に措いて、リリア達が奮闘していた―――と同じ頃・・・「現代」に措いては・・・
「ある問題」が、リリアの仲間の内で広まりつつありました。
現在―――自分達が居住していた惑星より離れ、地球へと来ていた者達がいました。
その者達は、非公認ながらも犯罪者達を取締まる機関・・・
「秘密」―――にして、誰に知られるともなく暗躍する存在・・・
それが、今現在では、「ある契約」の下に、元々管轄としていた宙域から離れ、こんな辺境とも云える宙域に来ていたのです。
その者達の名こそ・・・「Diva」―――・・・
そしてもう一つ・・・興味惹かれる話しとして―――・・・
かつて・・・この宇宙の古に、「愛と平和」を歌い上げた『歌姫』達がいました―――
その内の一人に・・・「ディーヴァ」なる存在がいたのです・・・
けれど・・・現代を生きる者達に、その事を知る術などありませんでした―――
なぜなら・・・「そうした事実」は、闇から闇へと葬られてきたからなのです・・・
―――なぜ・・・?
―――どうして・・・?
しかしながら、「ディーヴァ」は・・・存在意義はともかくとして、名称のみは復活した―――
『古の歌姫』の、「そうした意思」とは関係なく―――・・・
ならば・・・
「ディーヴァ」と共に、我々の記憶からも消された「他の歌姫達」は・・・?
そうした諸々の事情も含め、これから「地球」が・・・「標的」にされるのでした・・・。
しかもその発端は、実に意外なところから―――だったのです・・・
ユリアは現在・・・「ある人物」の前に佇んでいました―――・・・
ユ:(・・・)あなたが―――そのようですわね・・・
謎:―――・・・
「隠者」の様に、フードを目深に被り、杳として表情を覚らせない・・・
それに、ユリアが地球にはおらず、云わば地球外に出ている事で、地球の治安が少しばかり低下している・・・
だからこそ、「Diva」達の生みの親であるジィルガを説き伏せ、「Diva」達を地球へと召び喚せた・・・
ユリア自身の、今現在の彼女自身の主である人物・・・
「賢下五人」の一人―――ガラティア=ヤドランカ=イグレイシャスから、伝えられたある事実・・・
ガ:かの「大惨事」より、145億と100万年過ぎた現在―――「彼の者」が覚醒した・・・
「彼の者」は、覚醒すると同時に、かつて同志だった「賢下五人」に報復してくる事だろう・・・
そして・・・「今」だからこそ、あんたにも「事実」を話しておこう・・・
「ヱニグマ」も・・・「ジィルガ」も・・・そして・・・「偽りのサウロン」でさえも・・・
「総て」は、「彼の者」に備うるべくの、「因子」なのだと・・・
怒るなら・・・怒るがいい・・・侮蔑するなら、侮蔑するがいい・・・
そうされるだけの覚悟は、もう既にしてきている・・・
あんたたちの・・・そうした欲望に駆られた理念すらも、私達の管理下にあったのだからね・・・
そこにあったのは、「真実」の告白のみ―――
そして同時に、判らなかった事が氷解した瞬間でした―――
「なぜ・・・わたくしは・・・気の向くままに、簒奪を繰り広げてきたのでしょう―――」
「そしてなぜ・・・「それからの」のちには、それらとは真逆の行動理念が植え付けられていたのでしょう―――」
「それ・・・に―――ジル・・・「も」??」
「ああ・・・だからなのだ・・・」
「だからあの人は・・・わたくしの事が嫌いなのだ・・・」
「「総て」「自分」が歩いてきた道を、わたくしが同じくの様に歩んできたのだから・・・」
ユリアは・・・この場に立つまでの瞬間まで、「これまで」のことを反芻していました・・・
そして―――・・・
第二百七十九話;顕在化する問題
ガ:そしてもう一つの真実を―――どうしても「彼の者」の覚醒だけに目を奪われがちになるけれど、本当に目を向けなければならないのは「そこ」じゃない・・・
ユリア・・・あんたも方々を荒らしまわっていたから、その「噂」だけは耳にしているだろう・・・
かつて「彼の者」が猛威を振るっていた時期に、常に傍らにあった「三」の存在・・・
私達は、そ奴らの事を「三候」として区別している。
そして、同じくして・・・「三候」の奴らも、「彼の者」の覚醒に同調している・・・
あんたには、その内の一人を、相手にして貰いたいんだ・・・
ユ:(・・・)フフッ・・・あなたらしくもない・・・
ならば・・・わたくしの相手になろうかと云う存在・・・
明かせて頂けますか・・・
支配される者達を束ねる・・・云わば、「統治者」としての経験は、ユリアしかいませんでした。
(しかし・・・中には、「イリス」「ルリ」「ソフィア」がいるでは―――と云う意見があるのでしょうが・・・
実は、よくよく考えてみれば、ユリアはジョカリーヌとは「アレロパシー」なのであり、上記のガラティアからの告白の様に「経験豊富」・・・
云ってみれば、前述の彼女達より抜きん出ているのです。)
(それと・・・もう一人候補に挙げるとするならば、現在、実質的には「大皇」の代理を務めている「ミトラ」・・・なのですが・・・
残念ながら、酷評にはなるけれども、彼女も役不足・・・と、云ったわけで、この事を見る限りでは、崖っぷち―――「水際戦術」だった事が伺えるのである。)
そんなユリアが・・・座標も不確定な場所に―――誰彼知られない人物の前に立ちはだかろうとしている・・・
それこそはまさに、「鎧袖一触」―――「一触即発」―――と云う、緊張状態となっている「意味」を・・・
私達は履き違えてはならない・・・
そして、「もう一つ」の事実―――・・・
ガ:ああ・・・あんたに云われるまでもなく、教えてやるよ―――
だけど、本当に重要なのは、「そこ」じゃない・・・
実はね・・・ユリア・・・
「彼の者」に「協力者」がいた事は、既に教えた―――
だけど、同じく「こちら側」にも、「協力者」はいたんだ―――
ユ:ならば・・・その者達を―――?
ガ:それがね・・・今度ばかりは、判らない―――・・・
ユ:・・・なぜ―――?
ガ:確かに、以前は協力「させた」―――
けど、その後の「ケア」の仕方が拙かった・・・
ユ:(・・・)と、云う事は―――?
ガ:ああ・・・お察しのとおりさ―――
言い訳をするようで心苦しいんだけど、当時の私達にはそこまで手が回らなくってさ・・・
私達自身の手で、「彼女達」にお礼をすべきだったのさ・・・
その事は、当時自分達にも「協力者」がいたことを物語っていたのですが、
その時のガラティアの告白には、どうやらその後の対処の仕方に問題があった・・・
そしてユリアは知るのです―――
以前に「賢下五人」達が、協力を依頼した者達の末路―――
それが・・・
ユ:(!!)そんな―――・・・
ガ:あんたから、どう思われようと、それが事実―――
あの時、協力させた「歌姫」達は、二度とこの宇宙に、より付かせないようにさせたのさ・・・
ユ:ですが・・・それは・・・あなた達がやった事では―――
ガ:だが、その決定を下した者は、私達の意向を反映した「者」だった・・・のさ。
その事は暗に、今度ばかりは「協力」をして貰えない―――
その事ばかりか、「敵」として現れてくる事を危惧しなければならないと云う事を物語っていました。
そう―――だからユリアは、その為に、地球外にいたのです・・・
ほぼ―――今回は、「協力」を願い出ても聞き入れられないだろう・・・
最悪なのは、「あちら側」からの調略を受け入れ、「敵」として現れる事・・・
そして・・・現在自分の前にいるのは、「三候」の一人・・・
「歌姫」達を調略せるために、暗躍する存在―――・・・
もしここで、自分が敗れる様であれば・・・
宇宙は滅亡の途を早めてしまうであろうことを―――・・・
=続く=