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(さて、それから時、場所は変わり・・・・・前回の話、(『Mystic Fantasy』最終話)から、700年後の現在。

フレンス・ブルグの長老室にて、そこには以前、前長老(ジョセフ=ベーリング)より、

次期長老の任を託された、 エルミナール=ド=エステバス が、その椅子に座っているようです。)

 

 

ヱ:はぁ・・・。(成り行きとはいえ・・・・いいのかなぁ、ヴァンパイアの私が、この任受けちゃって・・・。)

  なんだか、場違いもいいとこよねぇ・・・。(は・・・)

 

チャラ・・・

(ここでヱルム、昔、自分の誕生日に贈られたペンダントを見つめる)

 

ヱ:でも・・・でも、私の友は言ってくれた。

“んな事で文句のあるヤツは、この私が成敗してやるからなッ!!”

  って・・・、正直言って嬉しかった・・・。

 だって、最初は予想通り、周囲からの冷たい目線があったのに、あの人のお陰で、ここまでやってこれたようなものなんだもの・・・。

 

 

それなのにネぇ〜〜〜、ほとぼりさめちゃうと、あの人 プィッ! と、どっかへ行っちゃったんだもの・・・。

 

 

レ:(レオナール=ウォン=ザルフ 今の長老(ヱルム)を支える忠実な幹部、『五人の支柱』<ファイブメント・ピラーズ>の一員。)

  あぁ・・・また長老様の独り言、始まったようですよ・・・。(ぼそ)

 

ヴ:(ヴォグラフ=ア=ルカール レオナールと同じく、『五人の支柱』の一員。)

  仕方がないだろう?ここのところ、ストレスが溜まるような事ばかりなんだから・・・。(ひそ)

 

オ:(オルテガ=レシ=シモン 同じく、『五人の支柱』の構成員。)

  しかも最近は・・・・。(はぁ・・・)

 

ギ:(ギャラハット=ヴァン=アーブル 同じく、『支柱』の構成員。)

  オッ・・・と、噂をすればなんとやらだ、また来たようだぞ。(ぼそ)

 

 

コ:(コーデリア=ルーク=ラヴェーリア 彼女も彼らと同じく『支柱』の一構成員だが、彼女こそがその筆頭なのです。)

  長老様、ただいま・・・・

 

ヱ:はぁぁ〜〜〜またですか??!  (ヤレヤレ・・・)で? 今度はどこなのです?

 

 

(どうやら、ヱルムの頭痛の種の一つは、ここのところ頻発傾向にある、各地での魔物たちの跋扈のようです。)

 

 

コ:は・・・はぁ・・・。 ここより東の森、 “ワーズの森”で、レブナント・コープスの類が、旅人を襲い続けているそうです。

 

ヱ:(ふうっ!) 分かりました。 それでは、ハンター一名と、見習いの者数人をここに!

 

 

(それから数時間後・・・・呼ばれてきたのは、 戦士系のハンター一名 と、見習いのハンターが三名。

 

そして、それぞれのプロフィールを見ながら、ヱルムが一言・・・。)

 

 

ヱ:はぁ・・・。 まぁ、こんなもんかしらね・・・。

  よし、ではおまえ達に命じます。 ここより東、 『ワーズの森』 で、跋扈している者達を、討ち平らげて下さい。

いいですね?

 

見:えぇ〜〜っ! あんな、キミ悪りぃとこっすかぁ?!

見:何でもさぁ〜〜今あそこ、レブやコープスのヤツ等の巣窟らしいぢゃん?!

見:いっやっだぁ〜〜、私 お肌荒れちゃうかもぉ〜〜。

ハ:あのぉ〜〜、私はどうすればいいんでしょうか??

 

 

ヱ:(はぁ〜〜あ・・・・これだもの。) 私達の時は、一旦命を受けたのなら、文句の一つも言わないで、やったものなのにねぇ〜〜。

 

ハ:はぃ?ナニを言っているんです?

 

ヱ:なんでもないんですっ! それでは、私も行きますから・・・でも、出来る限り、自分達の持てる力を出すのですよ?

 

 

(・・・・どうやら、彼女のもう一つの頭痛の種は、ここのところ急激に質の落ちたハンター達のようなのです。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そして、また場所は変わって・・・・        ここは、フレンス・ブルグより、東南東に位置する集落。

すると、そこに・・・・よく見ると、ハンター(であろうか?)が、一仕事を終え、村人達から報酬を受けているようです。)

 

 

村:どうも、ご苦労様でした・・・。 これはほんのお礼ですので、どうかお受け取り下さい。

 

ハ:・・・・・いいのかい?こんなに・・・。

村:いえ、いいのです。 こちらも、ギルドを通して依頼を申し込もうか、どうしようか・・・という時に、

  あなたのような方に、通りかかってもらったのですから・・・。

 

ハ:ふぅ〜ん・・・。 でも、こいつはちょいともらいすぎだね、こいつの・・・・そうだな、半分でいいよ。

村:えっ?! い・・・いいんですか?

 

ハ:あぁ、当然さ、見た限りじゃあこんなに作るのに大変だったろうに・・・。 だからさ、残り半分は、この村の為に充てておくれ。

  それにさ、私は今は正規のハンターじゃあないからな、その日食えるだけありゃあ・・・十分なのさ。

 

村:ああっ!ありがとうございます! あぁ・・・・なんてお礼を言ってよいやら・・・。

 

ハ:いいってことよ、気にすんなって。             それじゃあな。

 

 

(ここで、そのハンターが集落を出ようとした時、村の少女が駆け寄り・・・・)

 

 

娘:あの・・・ハンターさんっ! まことに不躾なのですが・・・実はもう一つお願いがあるんです!

 

ハ:うんっ?!(ハ・・・ッ!)エ・・・エリア・・・。

 

・・・・・・・・なんだい、娘さん。

 

娘:あの・・・実は・・・その・・・・この近くに“ワーズの森”というところがあるのですが・・・

ハ:ああ、『聖者の森』だね。 それが、どうかしたのかい?

 

娘:はい、実はここ数年で、レブナントや、コープス達が・・・・

 

 

ソ:『おい・・・・アルディナ、こんな事にかまう事はない、さっさとここを出ろ。』

ア:そういうわけにも行かないだろ? それに・・・フレンス・ブルグに戻るにゃ、まだ日が高いようだし・・・

  ま、いいんじゃない? 暇つぶしがてら・・・・

 

ソ:『ヤレヤレ・・・・是非もない・・・・。』

 

 

娘:あっ・・・・あの・・・・・ハンターさん??(きょとん)

ア:アッ!い・・・いや、なんでもない、こっちの事なんだ。 ・・・・で?とりあえずは、『ワーズの森』に行けば何か分かるんだろ?

  それじゃ・・・・ね。

 

 

(そう・・・・なんと、あのアダナが、この地に足を踏み入れたようなのです。 そして、そのまま集落を後にするアダナ。)

 

 

 

ソ:『全く・・・一体誰に似たんだか。』

ア:まぁ・・・・いいじゃんかよ、ソロン。 第一、エリアによく似た娘に言い寄られてみろ・・・・

 

ソ:『全くもって是非もないッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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