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―――その翌日―――
お:何ですって?? 婀陀那さんが帰ってない? どういう事です!!?
(それは、昼過ぎになっても出社しない婀陀那を怪しんだおひぃさんが、森野家に入れた一本の電話のやり取りだった・・・・。)
お:ねぇ! どういう事なのです?! 詳しく教えて??! 紫音さん!!
紫:そんな事を申されましても・・・・・私の管轄外ですので・・・・・。 はーい! ご免なさい、ちょっと今、立て込んでますので・・・(ガチャ!)
お:そ・・・・そんな・・・・。 よし・・・・ならば・・・(プルルルル・・・)あ、もしもし・・・? 真沙螺? ちょっとお願いあるんだけど・・・・今いい?
真:えぇ・・・・ちょいと今困りますよ・・・・姫様・・・・・・。 オーよちよち・・・ で、なんです?
お:あ・・・・いい・・・・分かったわ・・・・(ガチャ・・・) どうしよう・・・・八方塞りだわ・・・・。
(こうなったら・・・・)済みません・・・・ステラさん、私用ですけど、出てよろしいかしら?
ス:あぁ〜〜、良いよ、行っといで・・・。 お:ありがとうございます。
バタン!
(すると、おひぃさんが出たとたん、どこかへ電話を掛けるステラ・・・・・)
ス:(プルルル・・・・・プルルルル・・・・・プルルルル・・・・・・・・ガチャ) ・・・・・・・・・・・。
(しかし・・・・特別何かを会話するでもなく、三回呼び鈴を鳴らすだけで切ってしまったのである。(これは何かの合図であろうか?)と、すると・・・・?)
男:おぃ・・・・今出たぞ・・・気付かれんように(尾行を)開始しろ・・・。 女:分かりました(ザッ)
男:お前らも・・・・行け! 女:はいよ・・・ 男:分かった!
(なにやら怪しげな一団が動き出したようである(狙いはおひぃさんであろうか・・・?)
(おひぃさん、婀陀那失踪の手がかりを掴むべく、自分のつてを頼りに捜索を開始する・・・・が?)
お:はぁ・・・・(どこもダメだわ・・・・、せめて最後に立ち寄った所さえ分かれば・・・) あら??
(すると、何かの偶然か、ガラスの映りこみに、自分を尾けている(?)者を見つけるおひぃ、そして・・・・・・)
お:(おかしいわね・・・・このわたくしを尾行するとは・・・・ ! もしかして・・・、婀陀那さんの失踪と何かしら関係が・・・・)
ようし・・・・・ならば!!
女:ターゲット移動開始、どうやらこちらに気付いた模様、追跡しますか?(ザッ)
男:ようし・・・、そのまま追跡・・・・、 ≪了解(ザッ)≫ いいか・・・・お前らも手筈通り動け・・・・しくじるなよ?
≪あいよっ!(ザッ)≫ ≪分かった!(ザッ)≫
(おひぃ、自分から人通りの少ない通りに、わざわざ入る・・・・・)
女:(え・・・っ? あそこは人通りの少ない・・・・・)逃げられてしまう! ターゲットP地点の路地に入りました!
(おひぃをつけていた女、彼女に逃げられまいとしてその路地に駆け込む・・・・が、そこには・・・?)
女:あっ! し、しまった!!
(するとそこには、その女を待ち伏せるかのように、佇んでいたおひぃがいたわけで・・・・・)
お:あら? 誰かと思えば・・・・紫音さんじゃない・・・・どうしてあなたがわたくしの尾行など・・・・?
(しかし・・・・ここで思いもよらぬ事が・・・! おひぃの背後より、その気配すら悟られる事なく、男女一名ずつが忍び寄る・・・・)
男:それは・・・・こういう事だからですよ・・・。 女:いけませんねぇ・・・・、姫様、勝手な事をしてくれちゃ・・・・。
お:え・・・っ?! (背後から・・・声?) ああっ! あなた達は!! そ・・・そんな・・・どういう事なの?! なぜあなた達まで・・・?
わ・・・わたくしの“影”だったあなた達まで・・・!!
我:時代が変わったんですよ・・・・ 真:姫様・・・、あんたも余計な事に首を突っ込みさえしなかったら・・・・。
お:う・・・ウソよ・・、だって・・・・そうで・・・しょ?
ドンッ! (おひぃ、思わず後ずさりするも、直後に何かにぶつかる・・・)
お:(あっ・・・あうぅぅ・・・) あ・・・!あなたは!? (ふぐっ! し・・・・しまった・・・・クロロフォル・・・・)(ガクッ)
男:連れてけ・・・・。 我・真・紫:はっ!!
男:御前でやすか・・・、ターゲットの回収、今終わりやした。 御:ご苦労・・・・、早急に戻ってくれ、こちらも何か動きがあったぞ・・・。
男:分かりやした・・・・・。(ピッ) さてと・・・、ここからが正念場じゃな・・・・。