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(そして、どうやらここにいないもう一人の職員が、外回りより帰ってきたみたいですよ〜?)

 

ガチャ・・・

 

婀:ふぅ、ただ今戻りました。                                                   お:あっ、お帰りなさい、婀陀那さん。

婀:おぉ、姐上、これはいつもかたじけない。  うん? あそこにおるのは確か・・・

サ:よっ、しばらくぶりだな。  何、気にすんな、今日はやりあいしにきたんじゃなくて、ここの一員になりにきたんだ。

婀:なんと・・・採用されたのか、お主。

 

ス:まっ、今は一人でも多く人を集めるのが肝要なんだけどに〜〜・・・。           J:ボシュー出してるわりにはきませんよね・・・・ここ。

ス:うん・・・、でも・・・。(ひぃ、ふぅ、みぃ・・・・)   もう五人いるから十分じゃないの??

お:でも・・・せめてあと一人は欲しいですわね。                                 婀:まぁ、それはその都度で募っていけばよろしいではないですか。

お:それもそうですわね。

 

(そして、このときけたたましく鳴り響く電話が一本)

 

ジリリリリン・・・・・・ジリリリリン・・・・・(チンッ)

 

お:はい、もしもし。  え? はぁ、今おりますが・・・・はい、分かりました。 少々お待ちくださいませ、ただ今代わりますので。

  婀陀那さん、あなたに・・・・だそうです。

婀:はい、代わりました。  うんっ?! 何? 本当か・・・・それは・・・・うむ、うむ・・・分かった。 では、妾直々にかけおうてこよう、それでは。(チン)

 

お:どうしたの? 何か・・・あったんですの?

婀:ええ、実は・・・・。 かねてより問題行動を起こしていた事務所の件でございますよ。

お:ええっ?! あの・・・『黒崎組』の??

婀:そうです。 どうやら越えてはならん一線を越えてしまったようじゃ。           J:ええ・・・っ?! でも、今“妾直々”・・って言ってましたよねぇ?

婀:うむ、そうじゃが?                                                         J:  だ、大丈夫なんすかぁ・・・? 相手はヤッちゃんだよ・・・?

婀:ふふ、心配いたすな、幸いこちらも頭数では負けてはおらぬ。

J:ふぇ・・・。(キョロ・キョロ) あれ? そういえばステラさんは??             お:あら、言われてみれば・・・・(キョロキョロ) あ゛・・・。

 

(なんと、そこには机の陰に隠れ(きれてない)ているステラがいたわけで・・・・(しかも心なしか震えてやンの・・・(-フ-;;)

 

サ:なんだよ、だらしのねぇ。 あんた一応男なんだろ?

ス:いや・・・そゆ問題ぢゃなくて、できるならこゆの避けたいンだけど・・・・ダメ?

婀:ははは、心配ならご無用じゃ。 今回は妾とサヤ殿だけで事足りるしのぅ。 そうじゃな? サヤ殿。

サ:えっ?! まぁ・・・・あんたがそういうなら・・・。

 

お:それではサヤさんの初仕事というわけね?                                     J:期待してるじょ〜〜。

ス:ふぃ〜〜ヤレヤレ、一時はどうなる事かと・・・。

婀:ほほう、なればそなたも一緒に来るかの? 社主殿。                           ス:いえ、遠慮しときましゅ。

サ:ヤレヤレ・・・こんなのが代表でいいのかね・・・。

 

 

(と、まぁ、そんなことはさておいて。 急遽組まれた婀陀那とサヤのペア、どこに向かったかといいますと、『黒崎組』という看板が出た建物のあるところ。

そこには、少〜〜しばかり、いかつい兄ちゃんや、やたらガタイのよさそうなオッちゃんの集まっている場所だったりしたわけです。)

 

ブルルル・・・・キィ・・   ガチャ(ここで婀陀那、サヤ降車、しかも婀陀那の方はサングラスをかけている)

 

1:なんじゃあ?! おめぇらなにしにきやがった!!                                婀:・・・・組長はおるか。

1:おったらどうじゃというのんじゃい!!

婀:はっきりせよ。 おるのか、おらぬのか、もしおるのなら、婀陀那というのが会いに来た・・・・と、そう申し伝えるがよい。

2:おぃ・・・・少し待っていろ、ちょっと聞いてくる。                              男1:あっ、兄貴! ヨロシクお願いいたしやす!

 

サ:(オィオィ、ここどう見たってあんたなんかが出入りするとこじゃねぇぜ?)           婀:ふふ、そうかの?  まぁ見ておるがよい。

 

1:へへ・・・まぁ女二人か、悪くねぇな。 どうでい? この後オレ達と遊ぶ・・・ってのは。

サ:・・・・・・。                                                                  男1:おう! コラ! テメー・・・・シカトしてんじゃねぇぞ??!

2:お、おい! バカ! ヤメロ!! へ、へへ・・・どうもすいやせん。 組長でしたら中におりやすんで、どうぞごゆっくりと・・・。

婀:そうか、あい分かった。 ではサヤ殿、申し訳ないが話の折り合いがつくまで、待ってて下さらぬかのう。

サ:あぁ、別にかまわねぇけど?

婀:そうか、まぁ絡まれる事もない・・・・とも限らぬが、万が一そうなったときには手加減してやってはもらえぬかのう?

サ:へへっ、ま、出来る限りはな・・・・
婀:では・・・・頼みますぞ。
(ニヤ)                                             サ:あぁ・・・。(ニヤ)

 

 

 

(組長室にて)

婀:・・・・・・。                                                             組:・・・・・・。(ゴクリ・・・)

ス・・・チャ(婀陀那かけていたサングラス取る)

婀:ひさ・・・・            組:お、お久しぶりでやす! 姐御!!(ガバッ!!)(組長と思しき男、急に平伏す)

婀:どうした、竜次よ。 それではちと、情けのうありはせぬか? 一人の女の前で平蜘蛛みたいに・・・(プククク・・・)

組:ご、ご冗談を。 姐御の前じゃ、ワシなんかチワワみたいなもんでさ。

婀:しかし、驚きじゃったよのぅ。 事前に資料を手に入れていたとはいえ・・・。 知らぬ顔ではないお主が、ここの跡目をついでおったとは・・・。

組:へ、へへ・・・。 まぁ、親父・・・先代には世話んなりっぱなしでしたからねェ。 ンで、今日は一体何しに??

婀:うむ、実はな・・・・

 

(その一方事務所では?)

1:どうしたんでやす? 兄貴・・・。  おヤッさんに聞いてくると行ってくるなり、血相変えてきちまって・・・。

2:いや、何な? オレが“婀陀那”って、名前出したとたんに、オヤジの顔色が変わっちまってな・・・・。 とにかく丁重にしろ!

  って言われちまってな・・・。

1:あのおヤッさんが・・・                                                   男2:あぁ、人は見かけによらねぇもんだ・・・。

 

(・・・と、そういう会話がなされる中、サヤは・・・・というと、事務所にあるソファーの一つでお茶を飲んでました。)

 

サ:(ズ・・・ズズ・・・・・)ふぅ。

3:よぅ、ねぇちゃん、これからヒマ? 何ならさ、ちょっとこれからオレ達とつきあわねーか?

サ:・・・・。(ズズズ・・・・)                                                男3:おい! 聞こえてんだろーがよ! シカトしてんじゃねーぞ!?

サ:・・・(ジロ)・・・やめとけ。                                                男3:あんだと??!

サ: やめとけ といったのが聞こえなかったのか?                               男3:・・・ヤロウ、なめやがるとタダじゃすまさねぇぞ!!?

サ:・・・・威勢だけは一人前だな、お前。                                       男3:な、なに?! もういっぺん言ってみやがれ!!

 

ガ・・・ッ!

 

サ:ほほう、言われて胸倉掴んだとなると・・・少しは腹が立ったようだな。              男3:んな・・・・んのヤロゥ・・・・

1:へへ、女だてらに剣道たぁよ。

 

(男の一人がサヤの持っていた竹刀袋に手をかけようとした途端!!)

ドガッ!!        グリグリ・・・・・

 

1:ぐっ・・・ぐあぁぁ。 な、なにしやがる!                                 サ:そいつに、人のモンに手ぇ出すんじゃあねぇ!!

3:何ィ?! やる気か! てめぇ!!(スチャッ)(男、懐より短刀らしきものを取り出す)

サ:何だぁ・・・? それは、オモチャかなんかか? そんなモン、ダテに振り回してると、ケガの因だぜ。

3:っせぇ〜〜死ねぇ〜〜!!                                                 サ:ふんっ!

 

ビリィッ!!(サヤ、男の持っていた、短刀を避ける為勢いよく後ろに逸れる。 しかし、その為服の一部が破れ肌が少し露わになってしまう。 そして、自分の竹刀袋に手をかけると・・・)

 

ヂィィィッ!

 

サ:仕方ねぇな。 一応アイツとの約束もあるから手加減だけはしといてやるぜ・・・。

3:ぬぅ・・・おりやゃああぁぁぁ!!                                         サ:フッ!!

 

チャキッ!            ヒューーー・・・・ン

 

2:うげ・・・                                                               男1:あ、ありゃあ本身じゃあねぇか!?

サ:どうした・・・怖気づいちまったのかい。 このオレの得物を見て。

3:ぬっ・・・ぐっ、くく・・・                         男2:ヤロウ・・・・たたんじまえ!!                       男1:おう!!

 

ヒュ・・・ン!   ヒュ ヒュ ヒューー・・・・ン!                            パチン!−☆

 

 

(そして、ここで婀陀那、組長室から出てくる)

婀:では・・・・後の事、宜しく頼みましたぞ? 組長殿。                         組:へへ、任せてくだせぇ、姐御。

婀:うむ。    おや? どうかされたか? サヤ殿

サ:いんや? なんでも・・・。 ただ退屈しのぎに、こいつらとチャンバラごっこをして遊んでたのさ・・・。

婀:そうか、では帰るとするかの?

サ:ああ。  それと、お前ら、そいつは授業料だ。 ちっとは かっぱ になって反省でもしてな。 じゃあな、あばよ。

 

(なんと、よく見ると。 男達の頭の上だけキレイさっぱり髪がなくなっておりました。 その殆どがそれにおびえて動けなくなってしまっていたのですが・・・

ただ一人だけ、その様相が違っていたのがいたのです。)

 

男:ヤロウ・・・・ただじゃ済まさんぞ・・・

 

 

 

 

 
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