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(その翌日、おひぃさんの体調の様子を伺いに婀陀那が『龍皇』で、彼女のマンションに来たのであります。)
コンコン!! カチャ・カチャ・・・カチン!−☆ キィ・・・・
婀:失礼いたします・・・姐う・・あ、姐上! 大丈夫なのですか? 起きられて・・・
お:え? あ、はい。 もうよろしいようなんです、熱もだいぶ下がったようですし・・・。
婀:然様ですか・・・、しかし、油断は禁物です。 今日は、妾のところの医師団から、風邪薬を取り寄せましてな。 何、これさえ飲めばすぐ治りますよ。
お:有り難う。 婀:いえいえ、礼を言われるほどの事では・・・。 失礼ではありますが、お湯を取りに少々台所拝借いたします。
お:どうぞ?
婀:では遠慮のう・・・。
(ハッ!! こっ・・・これは・・??! 妾がくる前に・・・誰か他人が・・・? 調味料の置き場所が微妙に違っておる・・・)
あ・・・姐上・・・? こ、ここにだれぞ、きませなんだか・・・?
お:え・・っ? どうしたのです? 婀:い、いえ・・・・そういう気がしたものですから・・・。
お:(ふふ・・・)婀陀那さんには誤魔化しが効かないようね・・・。 婀:は・・・・?
お:実は・・・昨日のお昼前に、ステラさんが来てくれたの・・・。 婀:な・・・・っ、社・・・??(驍様が??)
お:あまり、醜態さらしたくない人に来て頂いて、最初はビックリしましたが・・・
なんだかあの人看病の手際がよろしくってね・・・そっちに驚きましたわ。 あら? どうしたの? 婀陀那さん。
婀:あ・・・い、いえ・・・なんでも・・・ありません。
(フ・・・まんまとしてやられたわ、あの口の陰にはこのようなことが潜んでいようとは・・・・妾もまだまだ見る目が・・・・)
さ・・・、白湯でございますぞ。 それでは、妾は仕事に行きますゆえ。 養生しなされよ。
お:はい。 明日には出れると思いますので・・・そう皆さんにも伝えておいてくださいまし。
婀:かしこまりました・・・。
(そしてその後、婀陀那はギルドに行ったのはいいのですが、その日はなぜか、ステラの姿は(も)見えなかったようなのです。
そして終業時間、サヤ、Jokaはまっすぐ家路についたのですが・・・
ただ一人婀陀那はとある場所に足を運んだのです、そう『シャングリ・ラ』へ・・・)
ガラン・ガラン・・・
我:あっ、こりゃあ婀陀那様、今までお仕事で? お疲れでございやす。 何にしましょう?
婀:うむ・・・。 いや、ちとものを尋ねたいのじゃがな。 のぅ、我矛羅よ、今日驍様はギルドへ来られなかったのじゃが・・・お主、何か知らぬか?
我:え・・・っ、婀陀那様はしらねぇンで? 婀:うんっ??!
我:なんでも御前・・・風邪でぶっ倒れた・・・って話ですぜ?? 婀:なんとっ???! く、詳しく聞かせてもらえぬか??
我:い、いえ・・・それがですね? 「こんなもん、ねてりゃ治るんのんじゃいっ!!」
・・・ってきかねぇンですよ。
婀:なんと・・それでは取り付く島がないではないか・・・。
我:そうなんすよ、 あ! そうだ・・婀陀那様から、御前になんか言ってやってはもらえませんかねぇ。
婀:むぅ・・・お主がそう言うなら・・・・ ん? 待てよ・・・・(そういえば姐上、明日出てこられると申しておったな・・・)
ふむ・・・よしよし、良い考えが浮かんだぞ・・・。
我:え・・・っ?! 妙案ですか?
婀:うん? あぁ・・・まあな・・・(ふふ・・・よい機会じゃ、この際じゃから あの方 に あの時 の責任を取ってもらおうではないか・・・)
クックックッ・・・・事の成り行きによっては・・・・・ふっふっふっ・・・・・
我:(今日の婀陀那様・・・・ちょい不気味だぞ・・・・(-フ-ll;;)
(そしてその後、自宅に戻った婀陀那が講じた事は・・・サヤ・Jokaに今日ステラがギルドにこれなかった理由を連絡しておいたのです)
婀:あ、もしもし。妾じゃが・・・サヤ殿か? サ:あぁ、そうだが、どうした、こんな時間に
婀:いや・・・なに、今日社主殿がギルドに来られなかったわけが分かったのじゃよ。
サ:ふぅん・・・それで・・・(ふわぁ・・・) 婀:風邪を引いたそうなのじゃよ。
サ:はぁあ? なんだ、それ・・・・最近の風邪・・・ってバカでも引くのかよ。
婀:まぁ、そういうてやるな・・・。 以上が連絡事項じゃ、それではの・・・
サ:あっ・・・あぁ・・・。(なんだ? こいつ・・・たったこれだけのために連絡を? まっ、いいっか・・・・)
婀:あ、もしもし、Joka殿か? 済まぬのぅ、夜分に・・・。 J:ほぇ・・・誰・・・婀陀那・・・さん・・・(こっくり・こっくり・・・)
婀:いや、実はの、ステラ殿が今日こなかった理由、どうやら風邪を引いたらしいのじゃよ
J:zzz・・・(コク・・・・ン) ガツンッ!−☆ おいでっ!!
婀:うんっ?! どうなされた?
J:(お・・・おちちち・・・)い、いや、何でもないじょ? 何でも・・・・(なはは・・・)んで? 用件それだけなのにゃ?
婀:あっ・・・・あぁ。 そうじゃが・・・。 J:そいじゃおやしゅみ・・・(ガチャ!)
婀:(今の切るの異様に早かったが・・・まさか寝て聞いておったのではなかろうのぅ・・・(--;;) まぁ・・・そんなことより、後もう一人・・・。
(そう、彼女がこの夜に、電話を回したのは計三人、ではあとのもう一人とは・・・・?
これが、実はおひぃさんではなく、自分達にもゆかりの深い人物、『暗部』の一人の、紫苑だったのです。)
紫:はい、もしもし梶嶋ですが。 婀:・・・・・・。
紫:あの・・・もしもし? 婀:“アメジスト”か・・・。
紫:(あ・・・ッ)はぁ・・・・脅かさないで下さいよ、婀陀那様、一瞬誰かと思ったじゃないですか・・・。 どうしたのです? こんな夜分に
婀:ふふ・・・なに脅すつもりは毛頭なかったのじゃがな? のぅ、紫苑殿、ちと妾の頼みを聞いてはくれぬかのぅ。
紫:(頼み・・・?)はぁ、一体何のご用でしょう・・・?
婀:いや・・・・何、実はの? 明日一日、姐上の動向を探って欲しいのじゃ。
紫:なんだ・・・そんなこ・・・ ええ゛え〜っ?! ちょ、ちょっと待ってくださいっ! それ・・・って監視するんですかぁっ??!
婀:・・・・ダメかのぅ。 紫:ダメ・・・って、当たり前じゃないですかぁっ!!
婀:そうか・・・・なら、やむを得ぬのぅ。 そういえば・・・お主・・・ 紫:なっ、何ですか?
婀:先だって、なにやら高い買い物したそうじゃのう・・・ 紫:(はぅわっ!!)えっ・・・・てっ・・・・
婀:確か・・・我矛羅のヤツに内緒で・・・・ 紫:(ぴくぴくぷるぷる)・・・・・・・。
婀:あやつが聞いたらなんと言うかのぅ・・・。 紫:・・・・・用件はそれだけですか・・・・(涙声)
婀:済まぬのぅ、なるべくならこの手は使わずにおきたかったのじゃが・・・、これがすんだら埋め合わせはするから・・・。 (ガチャッ)
ふーっ、やれやれ・・・なんぞちと悪い気もするが・・・。 さて、これで手は打ったと・・・・問題は明日じゃな。
(自分の屋敷内で働いている『暗部』の紫苑を使って、彼女は何をしようというのでしょうか・・・?)