<さん>

 

(すると、この現状を打破するためか、正月休みのギルドの戸を叩くものが現れたのです)

 

コンコンコン!−☆

 

お:あら? 誰かしら・・・今日はお休みなのにねぇ。 (ひょっとすると警察の方かしら・・・)

  はーい、ちょっと待っててくださいまし。

 

 

ガチャ!              シュ・・・

 

お:はい、何のご用・・・・あら? 誰もいない・・・。 ヘンねぇ・・・・、なんだったのかしら・・・?

婀:どなたでしたかの?                                                            お:いえ・・・・それがね?

婀:なんと・・・誰もおらなかったと? これは奇怪な・・・。                                  お:そうなのよねぇ・・・。

 

 

 

サ:おい、誰だったんだ?

お:えっ・・・ええ・・・それが・・・(はっ!)   あっ・・・・婀陀那ちゃん?? あなた・・・今しがた入り口の方で・・・??

婀:何ですと? 妾は、先ほどよりここにずっと・・・                             お:(え・・・) じ、じゃあ今のは???

ス・・・・・(ここで、なんと、もう一人の婀陀那が入って来る)

 

お:あっ!あぁ・・・婀陀那ちゃんがもう一人・・・?                             ス:うわっ?! なんじゃい、こりゃあ・・・・

婀:妾がもう一人・・・                                                         サ:なんだ、こりゃあ・・・・新手のドッキリか?

J:(出てきたわね・・・)

 

(偽)(キョロキョロ)はっ!! ・・・・・・・・した。(プルプル)                   サ:な・・・何?

(偽):お前ら・・・おねぃちゃん泣かした・・・・許さないっ!(クワッ!)            狐:え・・・っ?!(おねぃちゃん?)

ぼぉっ!!

 

(偽):この炎で・・・残らず燃えカスにしてやる・・・。                         お:ちょ・・ちょっとお待ちなさいっ! 何ですってぇ?!

(偽):うるさい・・・、この誘拐魔・・・。                                     お:ええっ?!(誘拐魔??)

 

(偽):理由はどうであろうと・・・あたしのおねぃちゃん・・・・かどわかした、お前・・・悪いやつ。

   お前から先に滅してやる!!

お:そ・・・そんな・・・で、でもあれは・・・!!

(偽):いいわけ・・・聞かない。 言ったでしょう? 理由はどうあれ・・・お前が、おねぃちゃん・・・さらった事実は・・・曲げられない。

お:うっ・・・くぅ!!                                                         (偽):死ね・・・。(ニヤ)

ごおおぉぉっ!!

 

婀:危ないっ! 姐上っ!!

                                                                         狐:(あ・・・あれは『狐火招来(こびしょうらい)の術』!!)まっ、まさか!!?

 

婀:う、うわぁっ!!(ドガシャアッ! ガンッ)                                       お:きゃあっ!(ドシャアッ!)

 

サ:なッ・・・なぜあいつら、抵抗しようとしないんだ?!!

J:(それはムリというものだわ・・・・。 曲がりなりにもあの子達は『神』、人間風情がどうあがいたところで敵うはずもない・・・。

  それに・・・これはちょっと様子を見たほうがよさそうね・・・)

 

サ:おい! 大丈夫か! あんたら!!  こんのヤロゥ・・・、こうなったらこのオレが相手・・・・

 

ド・・・・クン・・・・・ッ

 

サ:うぉ・・・・な、なに・・・? こ、このオレが・・・・金縛り・・・??

(偽):このあたしの・・・・影踏んだヤツ、皆そうなる・・・。 待っていろ・・・次は・・・・お前だ!!

サ:く・・・っ!                                                               (偽):死ね・・・・。(ス・・・ッ)

 

狐:止めなさいっ! 乃亜 っ!!                                                             サ:な・・・なに??(乃亜??)

 

(すると、どうでしょう・・・先ほどまで婀陀那の姿をしていたものが一転して、そこにいた子狐の姿とそう代わらないものになってしまったのです)

 

ぽんっ!−☆

 

乃:え・・・コ、コみゅねぇちゃん・・・どうして?  こいつら・・・おねぃちゃんさらった悪いヤツ等・・・、それを・・・どうして!!?

コ:この人たち、あたしをさらったんじゃなくて、保護してくれたの、分かって? ね? お願い・・・乃亜。

乃:い・・・いや、分からない・・。 おねぃちゃん・・・こいつらに騙されてる・・。

  でも、安心して? あたしが・・・こいつらから、おねぃちゃん・・・引き離してあげるから・・・。

コ:の・・・乃亜・・・。

 

サ:くっ・・・くぉおのぉおお! おめぇらサル芝居してんじゃあねぇぞ!! いまからこのオレがとっちめてやるから覚悟しろいっ!!

乃:何を・・・バカな、真似を。 このあたしの『不動金縛り』から・・・逃れたものなど・・・ええっ?!

バチバチバチィッ!−☆

 

サ:へっ・・・へへっ、なんだってぇ?! 逃れたものなどいない・・・ってか?! それがいるんだよなぁ・・・ここによぅ!!

乃:(こいつ・・・人じゃあない・・・) この気・・・お前、もしかして・・・・ヴァンパイア か・・・?

サ:へへ、物分りがはえぇようだな、お嬢ちゃん。 いいから、こんなおいたはもぉ止めて、皆に謝りな。 どうも済みませんでした・・・ってな。

  今のうちなら、お尻ペンペンぐらいで済むぜ・・・。

 

乃:それはできない・・・。 しかも・・・お前の正体が・・・『不浄の者』なら・・・なおの事・・・。

  この、あたしの・・・・術で、封じて・・・やる。

サ:はっ! おんもしれぇことぬかしゃあがる!  オゥ! だったらやってもらおうじゃあないのさ!!

乃:言われるまでもない・・・。(ニヤ)                              コ:だ、だめぇっ! 乃亜っ! こんなところで あれ を『発動』させちゃあ!!

乃:・・・・。

『縛之道、其ノ三十八・火炎轟車』

(はくのどう、そのさんじゅうとはち・かえんごうしゃ)

 

ごぅ・・・おぅ・・・・!

 

コ:の・・・・乃亜。くっ!(バ・バ・バッ!!)

『縛之道、其ノ四十六・湖水鏡反』

(はくのどう、そのしじゅうとろく・こすいきょうはん)

 

バッシィィィン・・・・シュウゥゥゥ・・・

 

コ:うっ・・・うぅ・・・。

乃:お、おねぃちゃん・・・・どうして?  どうして・・・こんなヤツ等・・・かばったりするの・・・?

  わ、分からない・・・。 あたし・・・、信じたくない・・・!  皆・・・皆、いなくなっちゃえ!!

 

ズ・・・・ズアァァッ!

 

 

J:(・・・まずいわね、今ので一気に 気 が膨れ上がっちゃったわ・・・)

 

コ:の・・・乃亜ーーっ!!

 

ズ・・・ズアアァァッ!!

 

J:(ヤレヤレ・・・、お姉さんの方もか・・・。 それに、どうやらこっちの方が、この子達・・・彼女達本来の姿のようね・・・)

サ:んな・・・っ! お、お前ら・・・?  こっ、これは・・・一体??  何がどーなったって言うんだ??

 

 

 

 

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