<参>

 

 

(そして・・・)

 

マ:ふぅむ・・・・結局、私が動かざるを得ない状況になったな・・・・。

  あいつの・・・ナオミの腕は見つかったかね?

 

お:は・・・はい。

 

マ:では・・・・『停滞』の法でもかけていてくれたまえ。

  あなたには、それが出来るはずだ・・・・。

 

お:はい・・・・分かりました・・・。  『オン・アビラウンケン・・・・・』

 

マ:(よし・・・・これでとりあえずは、なんとか・・・・)

  気をつけておきたまえ、奴は、私達の隙を伺っているはずだ・・・・。

 

 

臾:あっ!元締め! なんや、アミさんの悲鳴・・・・

サ:ナ・・・・ナオ・・・おいっ! こいつは一体どうしたことなんだっ??!

 

お:あ・・・・臾魅ちゃん・・・サヤさん・・・ど、どうしましょう、わたくしったら・・・・

 

 

マ:むやみに動くんじゃあない! 奴の餌食にでもなりたいか!!

 

サ:そ、それより、ナオを・・・・一体どんな奴がここまで・・・・

 

マ:ルキフグス だよ・・・。

 

サ:ナニっ?! そいつは、“AA”に近い奴じゃあないか!!

  ち・・・・っ、よりによってそんな高レベルの奴が、お出ましになるたぁな・・・。

 

臾:ま・・・・まぁ、滅多にお目にかかれへんもんやしなぁ・・・・。

サ:アホか!お前は!! そんなん再々お目にかかって嬉しいもんかよ!!

 

臾:す、すんまへぇ〜〜ん

 

サ:それで?!! その肝心のヤツは今どこにいる!!?

 

 

(すると、この時、コみゅちゃんが、その場の異変に気付き始めたのです)

 

コ:あ・・・・っ! 空中に・・・・魔法陣みゅ!!

 

ナ:ナニっ!? ぁ・・・・アレか!!?

臾:あ・・・・ありゃあ、どういう事やねんっ!! 元締め??!

 

 

 

マ:つまりだな・・・・“サクリファイス”を用いて、その対象物を 消滅・破壊・封印 したときになされる・・・・

  まぁ、いわば“ワナ”だよ、これは・・・・。

 

お:え・・・っ?! そ、それではわたくしのせいで・・・?!

 

マ:いや、仮に奴を野放しにしていたとしても、どうにもならないからね、

  いたしかたのないことだ。

  

  (しかし・・・やつクラスの・・・が出だしたとなると・・・・

こいつは一度調査をしてみんことにはいかんな・・・)

 

 

 

(そして・・・その中空(ちゅうくう)に浮かんだ魔法陣から、

見上げれば、まるで山を思わせるかのような、巨大な魔物の姿が現れてきたのです。)

 

ル:グフフフ・・・・よくぞワシのサクリファイスを打ち倒してくれたな・・・・

  礼を言うぞ、そして、褒美にここにおるモノ、皆 屍に変えてくれる!!

 

サ:は・・・・っ!! なめた事抜かしてんじゃあねぇぜ!

  出ろ!『魔忌悧』(まきり)!!               ジャキンッ!―☆

 

臾:うちかて負けてへんでぇ?! 『角鬼腕:炎』!!            ジャキンッ!―☆

 

ル:ヌフフフフ・・・・活きのよさそうなのが出てきおったな・・・・・。

  でわ、早速貴様らから血祭りだ!!

 

臾:ははぁ〜んッ! 図体ばかしでかいんが、能じゃああるかいっ! くらえやーっ!

 

 

(しかし、流石に、サヤと臾魅は、各々の武器を取り出し、臨戦態勢に入った模様です

ですが・・・・・今度は乃亜ちゃんが、別の異変に気が付いたのです・・・。)

 

 

乃:・・・・・・・あれ、本体じゃあないみぅ・・・・・・・・・。

 

お:ええっ?!!な、なんですって・・・・?!

乃亜ちゃん、それってどうい・・・・・・あうう゛っ!

                                    ドシュッ!

 

(すると・・・・なんと、恐るべき事に、おひぃさんの背後から、一振りのサーベルを持った男が

彼女の肩口をめがけ・・・・!!)

 

 

ル:フフフフ・・・・せぇいかぁ〜〜い、あれは私の影ですよ、美しいお嬢さん・・・。

  どうです?一興にいいでしょう。

 

お:う・・・・うぅぅっ! あ、あなた・・・・は!!?

 

ル:私ですかぁ? 私こそ、正真正銘、本物の ルキフグス=ダイダロス です。

  よぅく、お見知りおきの程を・・・・。

ズシュ・・・ッ!

 

お:あぐぅぅっ・・・!!(ドサッ)

 

コ:お、おひぃさぁ〜〜ん、しっかりしてみゅ〜〜。

乃:・・・・・・・・こ、この人・・・・・・・・・。

 

 

ル:いや・・・・・しかし、実際ビックリいたしましたよ。

  元々は、魔界でも『暴君』とまで呼ばれ、仲間の私達からも、恐れられたあなたがねぇ・・・。(ククク・・・・)

 

サ:ナニが言いたいんだ!ナニが!!

 

ル:(フン)・・・・よりによって、こんなクズ共に・・・・あ、いや、これは失敬?

  手を貸していた・・・だなんて・・・・(クフフフ・・・・)

 

臾:んなっ?!うちらをクズやとぉ?!!

 

ル:理解に苦しみますよねぇぇ・・・・。

 

マ:・・・・・・・・・・。

 

ル:聞こえているんでしょう?!   『魔皇』ソロン様!!?

 

 

サ:のやろう・・・・いい気になりゃあがって!!

マ:止めておけ、サヤ・・・・。

 

サ:ナ・・・ナニ?し、しかし・・・・お前・・・。

 

マ:いいんだ、そこの はなたれ小僧 の言う事など、一々気にする必要など・・・・・ない。

 

臾:はぁぁ??!  は、はなたれ・・・小僧  やてぇ?!

  な、なんでっか?それ・・・・って(プッ!)

 

 

ル:・・・・ナニ? ・・・・・フン・・・・クッククク・・・・

  言ってくれるじゃあないですか・・・・この私を はなたれ小僧 ・・・・だとは・・・・!!!

 

  おのれ・・・・許さん、許さんぞ!!!キサマ!!!!

 

 

(初めは・・・・・冷静さを装って、紳士的な態度に出ていたルキフグス。

でも、シホが発した、あたかも自分を小馬鹿にしたような言葉に、激昂してしまいます。

 

しかし・・・・そう、それが本当の彼の者の姿・・・・、

いかにも紳士的な態度は、残虐な本性を隠すための、いわば偽りの姿・・・・だったのです。

 

そして、ルキフグスが、シホに飛び掛ろうか・・・・とした、その瞬間

一振りの剣が、その場に突き立てられたのです・・・・

そう、その剣こそ・・・・)

ジャキンッ!ー☆

 

マ:(ムッ?!)あ・・・・あれは・・・『肆宝剣』!!  ま、まさか・・・女禍か!!?

ル:な・・・ナニ?? じ・・・女禍・・・だと??

 

 

女:フフフフ、もうそこからは動く事、まかりなりませんよ? ルキフグス・・・・。

  その私の剣、肆宝剣が大地に立った時点で、『社稷之陣』が発動しているのですから・・・。

 

 

ル:グ・・・・ッ!!クク・・・・お、おのれ・・・・・ソロン! キサマ!!

  よ、よりによって神の手を借りに来おるとは・・・・こ、この・・・・魔族の面汚しめっっ!!

 

マ:・・・・私は・・・・別に、この方に頼んだわけではない・・・。

  それに、私と、彼の者が争っていたのは、遥か遠い昔の事だ・・・・

 

ル:ぅ・・・・おのれぇ〜い! この裏切り者めぇぇ!!

 

 

マ:・・・・・・女禍よ・・・。

女:・・・・・・何?

 

マ:その陣・・・・・解いて下さらんか。

女:・・・・・・・どうしてです?

 

マ:真に申し訳ないが・・・・・この者、どうしてもこの私の手で、葬り去りたいのですよ・・・・。

女:・・・・・分かりました・・・・・・それっ!!

 

フ・・・・・ヒュンッ・・・

 

ル:フ・・・・ッ、フフフ・・・クハハハ!!

  なめた余裕を見せおって!! 今止めを刺さなかったことを後悔させてくれるぁぁあ!!

 

 

(しかし、シホそんな彼の挑発に乗ることなく、静かにとある者のところに、歩を進めていたのです。

一体誰のところに・・・? それは・・・・・)

 

 

コ:(え・・・・っ?!) あ、あれ・・・? ど、どうかしたんですか?みゅ・・・。

 

マ:うん? いや・・・・なに、それより、こんな危ないところに・・・・怖くなかったかね?

 

コ:・・・・ううん、あたしは・・・平気ですみゅ・・・。

  そ、それより・・・・おひぃさんに・・・・ナオミさんが・・・(ぽろぽろ)

 

マ:そうかい・・・・・それで、この人達の、仇をとりたい・・・・とは思わないかね?

コ:え・・・・ええっ??!  う、うんッ!とりたいですみゅ!!

 

マ:そうか・・・・では、お嬢ちゃんの命を賭ける事が、できるかい?

コ:え・・・・い、命??  ・・・・・・・・分かりましたみゅ!

 おひぃさんや、ナオミさん、こんな目に合わせたヤツ・・・・・絶対許さないみゅ!!!

 

マ:では・・・・契約完了だね・・・・。

  さぁ・・・・ようく、私の眼を・・・・・見てごらん・・・・。

 

 

女:(ハッッ!!) お、およしなさいっ!ソロン!!

 

 

コ:(え・・・・・?)・・・・・・・・・・。(カックン)

すぅ・・・・・          ぽうっ

 

乃:・・・・・・お、おねぃちゃま・・・・・・・。

 

 

(シホと、コみゅの間にて交わされた“契約”・・・・するとこの時、シホは、閉じられたままの眼を開けたのです・・・・

 

そして、そこには、人外の者の眼が・・・・『冥き眼に宿りし炎の瞳』が・・・そこにはあったのです。

 

しかし・・・・そう、それは、魔皇が、魔皇である証・・・・だったのです。)

 

 

 

 

 

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