<肆>

 

(そして食事の終了。その後は、入浴したり、明日のために早々に、床に就いたり・・・・と、

その過ごし方は、個々で違っていたようです。

 

ですが・・・この者達は、ちょっと違ったようです。

 

ステラに近付く婀陀那ありき・・・・。)

 

 

婀:社主殿・・・・ちと妾につきおうて下さらんか・・・?

ス:はん?・・・・・まあ、いいっしけど。

 

 

(婀陀那、ステラをちょっとただっ広い、広場のようなところに連れ出してきます。

何をするつもりでしょう・・・?)

 

ス:(ふぅん・・・)こんな・・・広いトコにつれてきて、どうするつもりかな?

 

婀:社主殿・・・・いえ、驍様。

  今は何も言わずに、武器をお取り下され、そして、妾と立ち会うて下され・・・・!

 

ス:ヤレヤレ・・・どうやら、昼間の特訓に付き合ってやったばっかりに、感化されたらしいねぇ。

 

婀:然様にぞんじます。 このまま・・・・妾も置き去りに、されとうはないので・・・。

 

ス:そのままでも、君は十二分に強いんだけどね、ま、いいか・・・・始めるとしよう。(す・・・っ)

 

婀:驍様・・・、その棒切れは・・・?

ス:これで、一応“貮蓮”のつもりなんだけど?

 

婀:成る程・・・・いざっ!!

  たァッ!はァッ!てぃりぁ! まだまだまだぁ!

 

ス:ふふ、中々の動き・・・『武力』より冴えている様じゃない。

婀:フフッ、お褒め頂き、ありがとうございます!    ちぇええい!

 

ス:はあぁぁっ!      奥技『菊花妖斬』!!

婀:ぐぅおっ!! (ふふ・・・・)い、一段と、強く(こわく)なられましたな・・・!!

 

 

(さて、その一方では・・・・?(婀陀那とステラが出た後で・・・)

食後のひと時、読書をしているおひぃさんに、サヤが近寄ります。)

 

 

サ:ナァ、ちょいと・・・・いいか?

お:は?はい。

 

サ:あ・・・あのさあ、あんたに物を頼むのは、初めてなんだが・・・

お:はい?どうなさったのです?

 

マ:ふふ、そいつは、あんたに手合わせしてもらいたいんだよ。

サ:ゲ!お、お前・・・。

お:あら、うふふ・・・よろしいですわよ?わたくしでよければ。

 

サ:お・・・・おい!!

マ:おや?余計なマネだったかね?

 

サ:ヘ・・・ッ、まあそういうことだ、よろしく頼むぜ。

お:うふふ、こちらこそ、お手柔らかに。

 

 

(どうやら、彼女も感化されたうちの一人のようです。

ところで、その場所は・・・・というと? 婀陀那とステラの丁度反対方向にある広場・・・。)

 

 

サ:・・・・よし、ここらでいいだろう、始めようぜ。

お:いつでもどうぞ?

 

サ:(余裕か・・・・) せりゃああっ!

パシィ・・・ン!          ジジィ・・・ ・ジィ・・・

 

サ:(防御結界・・・・)成る程な、見ると実際やりあうとじゃ、大違い・・・って事だ。

  フッ!ふんっ!                ち・・・っ、効果薄いな。

 

お:ふふ、そろそろ小手調べは、止めにいたしませんこと?

サ:ああ、いいぜ、こちらもそのつもりさ・・・。

 

お:それでは、結界を解きましょう。 そちらの方が、何かとやりやすいでしょうから。

 

サ:あんた・・・・それ、マジなのか?

お:で、なければ、どうだと?

 

サ:(ふぅん・・・) 得物は・・・?

お:これでございます。(シャララン・・・)

 

サ:(錫杖か・・・) 参るッ!!

  はっ!はぁっ!せいやあぁ!!

ガキ――ン!−☆      カキィーン!−☆      カシュィ・・・ン

 

サ:フぅ・・・・どうして、中々・・・。

お:うふふ、困った事ですわね、術者のわたくしが、こんなに出来るとは思わなかった?

 

サ:ああ、確かに・・・な。

  あんたは、“結界”や“秘術”でしか戦っているのを、見たことがないからな・・・。

 

お:それはいけませんね、人を見かけだけで判断するなんて・・・。

サ:そいつはお互い様、オレをなめてると、怪我するぜ。          はぃ・・・やっッ!!

 

 

お:(また正面から・・・え?ナニ??)・・・幻影・・・。

 

サ:(もらった!!) な、なに??(し、錫杖を軸に・・・前転??)  うぐぁぁっ!

 

お:(ふぅ・・・危なかった。) ふふ、今回は頭を使いましたわね。

サ:はは・・・、やられちまったな。 今のは、流石に一本とったと思ったんだが・・・。

 

お:まだまだ、ですわ・・・よ。(うふふ・・・)

 

 

(どうやら実力伯仲・・・・と、言ったところのようです。

 

さて、これで終わり・・・と、思いきや?

今回の修練で、一番に感化された人物が・・・その場所は、昼間、サヤたちが使っていた、あの滝つぼで・・・・

 

月光が映える水面に、一人の女剣士が佇んでいるようです。)

 

 

J:ふふ・・・っ、皆、成長しちゃってるなァ・・・。 私も、うかうかしてらんないや。

 

 

(その女剣士とは、あのJokaなのでした。

昼間、ナオミが砕いた、岩の一部を持ち、こうつぶやくと、

おもむろに、滝の・・・水が激しく落ちる地点まで足を運ぶJoka。(一体何をするつもりなのでしょう・・・?))

 

ス・チャ・・・・

J:フンッ!                                            ピュンッ!

  フンフンフン・・・ッ!                              ピュンピュンピュ・・・・ッ!

 

 

(なんと・・・毎秒、一tとも思える水の量が落ちてくる、それとはおかまいなしに、

凄まじいまでの剣撃で、後ろの岩を削り取るJoka、しかも、次第にその速さは増していき・・・・)

 

J:はぁぁぁ・・・・っ『昇華連撃』!

 

(なんと、その場には、水と岩・・・しかないはずなのに、宙空に駆け上がるように、上昇していったのです。)

 

・・・・パシャ・・・ッ

 

J:ふぅ・・・。

 

  ・・・そこ、さっきから見てんでしょ?こそこそしないで、出てきたらどうなの?ソロン。

 

マ:いや?別に、こっそり見ていたわけじゃないんだがね。

  実は、是非とも、あなたと手合わせ願いたい・・・という者がいるものでね・・・。

 

J:あんたが・・・・そういうからには、あんたじゃなさそうよね・・・。

マ:これはご冗談を、あなたの実力は、5,000年前に、嫌というほど知らされていますからな?

  実は、手合わせを願っているのは、この者なのです。

 

 

J:(成る程・・・)シホさんか・・・。

シ:ご無礼の段、平にご容赦の程を・・・。

  私のような、下賎の身が神と、手合わせできうるなんて・・・・そうはないことですから。

 

J:(ふんん・・・・こりゃちょと参っちゃったな・・・・全力出しちゃまずいだろうし・・・・)

シ:いえ、全力で構いませんよ?こちらも、全力であなた様を倒す覚悟で行きますので・・・!!

 

J:言ってくれたわねぇぇ〜?ま、一応は手加減したげるけど、保障はもてないわよ?

  では・・・・参るッッ!!

 

パシィィ・・・ン!          パシ  パシ  パシィィ・・ン!−☆☆

 

 

J:(成る程・・・彼女は元々おひぃさんと同じ術者、結界で身を護る・・・というのも、道理よね。)

 

シ:

切り裂くものよ、出でよ

スクリーミング・スレイヤー!!

 

J:ぅお・・・っちっと、中々やるわね。

  ならば、これはどう?                                      『次元真空断』!!

 

シ:『相克』!!   Joka・・・いいえ、女禍様、今はお戯れのなきよう。

 

J:し・・・シホさん、その眼・・・。

 

シ:開いてはいても、見えはしません、それにあの方も今は、お休みのようですので・・・ご心配なきよう。

 

  それに、私も、一度、見たくはあるのです、神の剣技 “禍剣” を!!

 

J:しようがないな・・・じゃ、ほんの少しだけだよ?

シ:お気遣い・・・・感謝いたしますっ!(キッッ!)

地中より出でし、魂の裂動よ、雷光となりて、其を打ち滅ぼせ

ローザース・ウィスプ!!

 

J:ハッッ!(ザスッ!) 発動せよ!『社稷之陣』!!

  

  (な・・・っ?!か、彼女・・・先程の呪文詠唱の終了と同時に・・・また違う呪文を?

  こ、これは・・・・一体?!)

 

ソ:{これは恐らく、『連続詠唱』というものでしょうな。

  ですが、ここまで大きなモノだと、少々厄介そうですぞ?いかがいたします?女禍。}

 

J:(フフ・・・・ッ、中々にやってくれるわね。)

 

 

シ:

力の三角、五芒六芒、力の円陣持ちて、古の破邪の力、与え給え

 

J:う・・・・っ!!こ、この呪文・・・・!!

 

シ:

アブソリュート・ブレイク!!

 

 

J:ク・・・・ッ!やってくれたわね・・・まさか『禁呪』を紐解くなんて・・・

  それじゃあ、こちらの番ッッ!             禍剣 奥儀 “断”之“裂” 『トコブセ』!!

 

シ:あああっ!

 

J:(ふふふっ、ちょこっと頭にキて、少し本気出しちゃった。 私も、大人気(おとなげ)ないなぁ。)

シ:いいえ、そんなことはありません、こちらも、『禁呪』などを出して、申し訳ありませんでした。

  しかし、凄まじいものですよね、流石に神の剣技と謳われるだけの事はあります。

 

J:コラ!いけないことだぞ? 人の心・・・ましてや神の心を読む・・・だなんてっ!

シ:こ、これは申し訳ありません。 つい・・・・いつものクセで・・・。

 

J:でも・・・・まぁ、許しちゃおっか、私も久々に体動かせた事だし。

  でも、ホントは“彼”の方とヤりたかったんだけどなぁ〜〜。(ジロ)

 

マ:おいおい、冗談はよせといったろう?もう“アレ”はゴメンですからな。

 

 

 

 

 

 

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