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(そう婀陀那が言い、衣裳部屋の戸が開けられると、そこはおびただしいフラッシュの壁でありました。)
J:(うわっは、こりゃすんごいや、 チラ・・・ どやら彼女は臨界点のよーだーね〜〜。)
サ:う・・・グッ!! くぉのぉ〜!! どけ! おめぇ〜ら!! これは見せもんじゃあねぇぞ!!
お:サヤさん。 サ:うん?・・・・なんだ・・・・(ふぅ・・・ふぅ・・・)
お:ちょいとゴメンあそばせ・・・・。 サ:え?・・・・あ・・・・。
お:さ、皆さん、もう十分にそのカメラに、彼女達をお納めになったのでしょう? でしたら、これ以上は無用ですので下がって下さいまし。
(おひぃにそう言われ、ぞろぞろと引き下がるカメラマニヤ達 (^^;;)
お:さ・・・、行きましょ。 サ:は・・・はひ・・・(・・ll;;)
J:(いや、さっすがだわ、彼女の発言力・・・って・・・・) あっ! お〜〜ぅい! あたし置いてかないでよ〜〜う!!
(そして会場内に入る三人)
サ:おい・・・・ここの“離れ”・・・って・・・・。 J:うん・・・・でったいなんかの間違いにゃそね・・・・。
婀:うん? そうかの? ここは一応『演舞』『舞踏』も出来るように設計されておるでの?
J:(はは・・・・)んも〜〜なんでもありっすね、ここ・・・。
お:さ・・・、あなた達はここに座っててくださいな。
サ:・・・って、え・・・? こ、ここってVIP席・・・・だよなぁ?! お:はあ? そうですけど・・・?
サ:“そうですけど”? オゥ!ニポンゴムズカシスギテ、ワタシワカラナイアルヨ!!
お:な・・・なんという言葉を使ってるのですか、あなたは。
サ:だってそうじゃんかよ! 大体オレみたいな庶民がこんなとこ来てみ? ゼ〜〜ッたい“ドッキリ”かなんかだと思うぜ? フツーはよッ!!
お:そうなの? Jokaちゃん。 J:いや、まぁ・・・・、フツーはね。(はは・・・)
お:う〜〜ン・・・・でも困りましたわね、一応このパーティーの『主賓』あなた達という事になってますし。
サ:しゅ・・・・主賓??(ガビーン・・・(-口-ll;;) J:あ・・・・はは・・・・(開いた口がふさがらなかった状態・・・(^^;;)
(と、こんなやり取りなされる中、宴は始まるのでありまして)
真:え〜〜、本日は、当森野家の『クリスマス・パーティー』へ、お忙しい中お越しくださいまして、真にありがとうございます。
今回、司会を務めさせて頂く、真沙螺と申し上げるものでございます、最後までお付き合いのほど、宜しくお願い奉りまする〜〜。
お:うふふ・・・(真沙螺ったら、司会のほうすっかり板に付いちゃって)
真:それでですね、今回の主賓の方、二名様いらっしゃいますか? それでしたら、こちらから呼んでみましょうかね?
えーと・・・、まず一人目『音無サヤ』さ〜ん? サヤさんはいらっしゃいますでしょうか??!
サ:あ・・・ははは〜〜〜(-フ-ll;;)~゜ (こんなんが明日も続くのかよ〜〜、オレ・・・絶対これからの一生分の幸運、使い果たしちまってるな)(ぶつぶつ・・・)
J:あ・・・・ッ!! サヤちゃん! サヤちゃん!! 呼ばれてるよッ!!
サ:え・・っ??! あっ! はいっ!!(お゛ほんっ!) え゛〜〜本日はぁ〜〜真にィ〜〜? おねまきにあづかりましてぇ〜〜・・・
J:(あちゃあ〜〜〜、しっかり声裏返っちゃってるや、まぁ彼女こういう華やかなとこ初めてのようだしねぇ、仕方ないといえば、仕方ないけどさ)
お:サヤさんっ! もういいですからお座りなさいっ! サ:え゛っ?! あっ・・・・ああ・・・・(そそくさ)
真:あ・・・っあはは、中々ユーモラスな方でいらっしゃるようですね。ではお次、『Joka』さん・・・Jokaさんはいらっしゃるでしょうか??
J:はいは〜〜い! ここにいますよっ!! えー、此度は、こぉんなスッごいパーティーに呼んでくださいましてありがとござます! 以上ですっ!
真:はい、中々簡潔な方でしたね、えー、それでは・・・・
サ:あっ、ちょっと待った、あんた、この人紹介するの忘れてるぜ?
真:へっ?! あっ・・・・あー・・・・え゛・・・え゛―ッと・・・・(ポリポリ)
(なんとサヤ、こともあろうに、おひぃまで、真沙螺に紹介させようとする、それで、一瞬困ったような表情になる司会の真沙螺)
お:あ・・・あのー・・・わたくしは別にいいんですのよ? サヤさん。 (ははは・・・)
サ:え? どして? なんで? あんたも、オレらと同じ主賓の一人じゃねーの?
J:(この人、さっきの事完全にトンでんだ・・・・)あ・・・・ッ、サヤちゃん、二人とも困ってるようだからそのくらいにしとこうよ。
サ:えっ??? なんで???
(サヤ、納得がいかないまでも、Jokaに促され、シブシブ引く事に (^^;;)
真:え〜〜、それでは、こちらの方の準備も整ったようなので、早速はじめたいと思います。『森野婀陀那』様です! 盛大なる拍手でお迎えくださいっ!!
パチパチパチパチパチパチパチ・・・・
婀:今回は、妾の主催するパーティーにお越しくださり、感謝の言葉もありませぬが、どうか一つ、このダミ声でも聞いて、満足して頂きたく存じます。
真:それでは参りましょう! 婀陀那様で『恋人達のクリスマス』ですっ!!
【婀陀那】
〔恋人達のクリスマス;マライア=キャリー〕
サ:ホえっ?!(゚口゜ll) J:うひゃぁ〜〜(-x-;;)
サ:あっ・・・あああ、あいつ・・・さっき、自分で・・・・・『ダミ声』って言ってなかったか?
ありゃあどう聞いたって・・・・プロだぜ、プロ。 だっ・・・第一なんでアイツ・・・じゃなかった、あの人がこんなとこいるんだよ・・・。
理不尽にも程ってのがあるぜ。
J:そうですよね・・・、優しいし・・・・顔キレイだし・・・んでもってあとつおいし・・・、その上歌まで・・・・って・・・・、
この世の不思議・・・ってなもんですかねー。
お:それにしても、あの頃より一段と磨きがかかって・・・、さすが、欧州の方に留学していただけありますわ。
サ:は? あんた、あの人の歌の上手いの知ってたんの??
お:え? えェ・・・まぁ、高校の三年間でしたけど、一応交流はありましたのよ?
J:そ・・・それにしても、今までヨーロッパの方へ行ってたんですか? 婀陀那さん。(こりゃ見つけるどころの話じゃないぢゃん)
お:そうですわね、あちらに行って、ご自分の好きな音楽を専攻されていたらしいですから。
真:さぁ! 続いてまいりましょう! お次はこの曲です、二曲続けてどうぞ・・・
【婀陀那】
〔If hold on Together;ダイアナ=ロス〕
〔The
ROSE;クリスティーナ=アレギラ〕
サ:し・・・しかし・・・・こりゃあいい声してんなぁ〜〜下手に歌で稼いでいるヤツよかよっぽど上手いぜ。
J:ね・・・・ねぇ・・・サヤちゃん・・・・ サ:うんっ?! トイレか??
J:あ・・・イヤ・・じゃなくってさぁ・・・、今日あたし・・・お金持ってきてないのだ。
サ:あ゛・・・・そういやオレも。
お:二人とも、何をおバカな事を言っているのです? 今日あなた方は“招待”されたのですから、お金は払わなくてもいいのですよ。
サ:え・・・? で、でもさぁ・・・、こんなに上手い料理に歌に・・・・ってバチあたらねぇか?(不安なってくるぜ)
お:う・・・・・う゛〜〜〜ん・・・じゃあ・・・・仕方ございませんわね。
では、明日・・・・『クリスマス』の日に何かご自分の特技を披露してください、それでよろしいですか?
サ:そ・・・・そんなんでいい・・・のか?(気前がいいってなもんじゃねーな) J:(なるへそ・・・・・そう来たか)あたしはいいですよ?
お:では、決まりですわね。
(さて、その間でも、パーティーの進行は進みまして)
真:さすがに婀陀那様ですね、でも、今回は『クリスマス』ということもありますので、有名なこの二曲行ってみましょう! どうぞ・・・。
【婀陀那】
〔ホワイト・クリスマス〕
〔ママがサンタにキスをした〕
サ:は・・・・、一つはバラード調で・・・・ J:もう一つはポップス調にゃそか・・・・・
サ:しっかし・・・、実際の話、こういうの見せ付けられると、明日のオレの出し物自信なくしちまうな。
J:それ言っちゃうとミジメになっちゃうよ。 サ:それも・・・・そうだな。(--;;)
お:(パチパチパチパチパチパチ・・・・・) さて、これから二部に入りますが、あなたたち、お手洗いに行きます?
サ:え? あっ・・・ああ。 J:も・・・・漏れそ〜だよ。
真:それでは一旦休憩に入ります。二部の開始は、これより30分後になりますので、お時間に遅れる事のないよう、お気をつけ下さい〜〜。 ではっ!