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(一方その頃・・・ヱルムは、 西の森・・・・
そう、ジョカリーヌの洞窟に程近いところで、一人でミッションをこなしていたのです。)
ヱ:
オン・ダキニ・クリュシュナガラ・ソワカ
{我レ、敵を掃討せしめん}
『破邪灰塵乾坤陣』!
(はじゃかいじんけんこんじん)
ズオオオォォォ・・・・
ヱ:いかが? 私の術の味は・・・思い知るがいいわッ!?
(不死の頂点を極めた事により、術の内容は元より、威力・実力も着実についてきたヱルム
しかし、それとは裏腹に、なぜか彼女の顔色は、どこか冴えないようです・・・。)
ヱ:はぁ・・・・。
(虚しいものよね、あんな術、昔なら一度使っただけで息切れしてた・・・って云うのに。
今はまだ有り余るほどの力が・・・
でも、それに反比例するかのように、周囲(まわり)からは常に冷たい目線が私に絡みつく・・・・。)
ふふ・・・・私・・・・なにやってんだろ・・・・。
(しかしこの時、この近辺から布を引き裂くような声が・・・!!)
きゃあああぁぁぁぁ!!
ヱ:(はっ!?) な・・・何? 今の声・・・。 悲鳴??
ひょっとして、私以外の誰かがこの森に入っているって言うの?
気になるわ・・・・行ってみよう!!
(ヱルム気になり、その声がする方向に行ってみる事にしたのです。 すると・・・・
するとそこには、パーティが壊滅状態に陥り・・・・
ただ一人残された 女ハンター が、あられもない姿にされ、化け物達に襲われていたのです。)
ハ:いゃあぁぁ・・・・やめてぇぇ・・・・
誰かぁぁ・・・お願い・・・たす・・・・・けぇ・・・
オ:ブへへへ、おめぇさんにゃあ、これから地獄と極楽いっぺんに見せてやるぜぇ・・・。
ハ:いっ・・・いゃあぁぁ!! もぅ・・・もうやめてぇぇ!!
(すると、そこへ先程この悲鳴を聞きつけ、駆けつけたヱルムが見たものとは・・・)
ヱ:(はぁ・・・はぁっ・・・)
ああっ! あれは・・・『ギルド』のハンター・・・ コーデリア じゃない!!
く・・・・・っ、ゆ、許せない・・・私の同僚を!!
(同僚を犯されていることに、次第に憤りを感じるヱルム・・・。
そして、それは自身の持つ闇の力が増幅する・・・・という結果をもたらしたのです。)
オ:おっ!? おめぇ・・・ハンターじゃねぇかよ。
てめぇも災難よなぁ、大方(おおかた)この娘の悲鳴聞きつけてきたんだろうがよォ・・・。
ヱ:うるさい・・・。 今すぐここから消えろ!!
でないと・・・イタイ目にあわせてやるわよ・・・。
オ:あんだとぉ??! 小生意気な・・・。
んおやぁ? どうやらお前、見たところ・・・・
ヱ:(ドキ・・・)な、何よ・・・。
オ:一人・・・のようだなぁ。 お仲間はどうした?!
ヱ:仲間・・・ですってぇ・・・? いないわよ・・・・そんなの・・・。(ギリ・・・)
オ:ほ、なんだ・・・んじゃあこいつのように見捨てられた・・・ってとこかい。(ブヘへへ・・・)
ヱ:な・・・何ィ!? も、もう一度言ってみろッッ!!(ワナワナ・・・)
オ:ブハハ! 何度だって言ってやるぜ!! お前、こいつのように見捨て・・・・ ぶごっッ??!
ガッッ!!
ヱ:ゆ、許さんっ・・・お前ら如き、下衆な存在・・・
私自ら手を下すまでもないと思っていたが・・・・・
気が変わった。(ギロッ!)
オ:ふ・・・ぅ・・・・がッ! お、お前・・・そ、その眼ぇ・・・
ヱ:私の・・・私の目がどうしたというかぁ!!
ズ・・・・ズ・ズ・ズ・・・
オ:ま、まるで・・・ヴ、ヴァンパィ・・・・・いぎゃややあぁぁっ!!
ヱ:余計な事をベラベラと! もういい・・・お前の体液、一滴残らず吸い尽くしてくれる!!
カァ・・・・・ハアァァァ!!
ズ・・・ドシュッ!
ブシュ・・じゅ・・・じゅるるるぅっ・・・!
(そこで・・・彼らは奇妙な、実に奇妙な事象を目撃する事となるのです。
それというのも、通常ヴァンパイアが吸血を行う際には、口より生えた鋭い犬歯(牙)で、相手の血管を喰い破り
そこから滴り落ちる血を啜る・・・というのを常套としてきているものなのに・・・・・。
ですが、今 彼女がその行為を行っているというのは、明らかにその様相を異(こと)にしていたのです。
では、一体どのようなやり方で・・・?)
じゅるっ! ぅじゅるるぅっ・・・ずぎゅぅぅぅ・・・
オ:は・・・ひゃあぁ・・・な、なんだ・・・あ、あいつっ・・・・手、手から直にイィっ??!
ヱ:(フウゥゥゥウウッ!) なんだ・・・・まだ他にもいたのか・・・・。(ニィィ)
オ:ブ、ぶひゃああ・・・に、逃げろぉっ!
ヱ:(ハァァ・・・)誰が逃すかっ! 伸びよ! 我が影よっ!!
ズゥゥ・・・・ ビュウッ! ビシュウッ!
バシィッ!
オ:ぶひゃぁっ?! かっ・・・体がっ???
ヱ:・・・・ふん(ニャ)。 いちいち吸血してまわるのも面倒だ・・・
我が影よ、そいつらを吸血して戻って来い・・・。
(そこには・・・、かつて巫道を得意とし、その術を大いに振るっていた彼女の姿はなく。
紛れもなく、『吸血鬼』の それ を振るう ヴァンパイア がいたわけであり・・・・)
ずるっ! ずりゅるるるっっ・・・ ずぎゅぅぅぅ・・・・
オ:はぁぁ?? ぃきゃぁああぁぁぁ・・・?
オ:おが・・・お゛がぁ゛ぢゃ゛〜〜ん゛ん゛!!?
ヱ:くあっはっはっは! 惰弱な存在め! 失せるがいいわ!!
ガサ・・ガササ・・・
ヱ:ぅん・・・、成る程、キサマか・・・この者達をここまでにしてくれたのは・・・(カアァァァ)
ナハト・イェーガー(夜猟者)!!
ナ:むんっ?! キサマ・・・ 人 ではないな?
で、なければ、オーク共が一瞬で、こうなるはずはないからな・・・。
ヱ:人・・、人・・・、人!! 人でなければどうだというのだぁ!!
ナ:(ビリビリ・・・) くうっ! その牙! その眼! そして・・・その魔力!!
そうか・・・・キサマ・・・ヴァンパイア!!
だが・・・なぜ? なぜ貴様が身内であるはずの我らを襲う!!?
ヱ:身内・・・? 身内だとぉ?! 汚らわしい!
キサマらのようなのと一緒にされると虫酸が走るわ!!
ナ:グッッ! な、ならば・・・裏切りか!!?
ヱ:(ギリィッ!) ・・・御託はもういい。
どの道キサマがこの世にいなくなる事には変わりはない事だ・・・。
ナ:ぅぬれ! ほざくがいい!
グリフィス・スクラッチ!!
(巨大な爪にて引き裂く技)
ヱ:ふん・・・どっちが!!
オン・アビラウンケン・バルナ・ソワカ
『愧刹黒蹄圏』
(きさつこくていけん)
ズ・・・ズズウウゥ・・・・