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(一方その頃・・・、同刻、ギルドの長老会議にて、恐るべき議案が話されようとしていた・・・・・。何について、話し合われているかというと・・・・

七人の『長老会』のメンバーの下に、三人のハンターのプロフィール等が並べられている・・・。)

 

長:ふぅむ・・・・、この三人の最近の活躍ぶりは目覚しいもんじゃのぅ・・・・。

1:だが・・・、やはり、若者に見受けられがちな『増長』さもはなはだしい・・・。

 

(そのファイルに貼ってある写真を見てみると・・・・、アルディナ、エルミナール、タルタロス・・・の三人のものが確認される・・・)

2:確かに・・・、若さゆえ・・・もありましょうがのぅ・・・。

3:いや、ワシは、このままで良いとおもうがのぅ・・・。

(ワイワイ・・・・ガヤガヤ・・・・)

 

長:まぁ待て、皆の衆、ここは一つ決をとろうではないか・・・・、それによって、今後の方策を立てても遅くはなかろう・・・。

1:ふむ・・・、それもそうじゃの・・・・

長:それでは・・・・、この三人、やはり『天狗』になっていると思われる方・・・・。

  ふむ、圧倒的多数じゃな・・・・、では、次にその方策・・・。

  なんじゃ、誰も何も考えておらんのか・・・、ならば、ワシが決めてもよいのじゃな?

2:何か・・・・、長老にはお考えでも・・・・?

 

長:うむ、実はの・・・、前々から思案しておったのじゃが・・・・、この際、あの三人には、“とある洞窟”を攻略してもらいと思うておるのじゃ・・・。

3:んな・・・、“とある洞窟”ぅ?

1:ま・・・・まさか・・・・?!!

長:そう・・・そのまさか、“あのお方”“洞窟”じゃよ・・・・。

1:し・・・・しかし・・・、今より7,000年前にこもられたきりですぞ?! ひょっとすると、あらぬ誤解を招いてしまわれるのでは・・・?

長:ふぅむ・・・、では、そう思わさせなければよいじゃろう?

3:そんなことが出来ますかの・・・?

長:まぁ・・・・任せておれ・・・・(ニャリ・・・)。

 

(翌日・・・、長老の呼び出しにより、部屋に集まる三人・・・・)

ア:なぁ・・・、長老のジィさん、何で私達に召集かけたんだろ・・・?

ヱ:さぁ・・・、きっと何か、ご褒美でもくれるんじゃあないかしら・・・?

タ:・・・・・いや、オレはそうは思えんなぁ・・・。

ア:ええっ? な・・・・なんだって・・・?!

ソ:『ふん・・・・、若僧にしてはいい勘をしておる・・・・・』

ア:{え・・・な、何だって?! ソロン?! ・・・・ソロン?!!}

  ち・・っ! 不吉な事を・・・・、一日の始まりから、縁起でもないもんだよ・・・・。

タ:そ・・・そうか・・・、そいつはすまなかった・・・・。

ア:いいや・・・・、タルタロス、あんたじゃないんだよ・・・・。

 

(そして、長老の部屋の中・・・・、長老の席の前で、ひざまずく三人・・・)

ア:ハンター・アルディナ                     ヱ:同じく、エルミナール                     タ:同じく・・・、タルタロス

ア・エ・タ:招致に応じました!!

長:うむ、ご苦労・・・、時に、お前達の最近の活躍ぶり・・・・、目覚しいばかりじゃな。

で、どうじゃな? この辺で、ちとカル〜イ依頼でもこなしてみんか・・・?

ア:軽い・・・・依頼? ミッションですか・・・?

長:うむ、そうじゃ、実はな、お前たち三人に、これよりとある洞窟に赴いてもらってな・・・(ゴソゴソ・・・)

  その洞窟の柱に、これと同じものが架かっておるから、それとこれとを取り替えてきてもらいたいのじゃ・・・。

 

(長老、ここで懐中より、ここ、“ギルド”の象徴というべき紋章を見せる)

 

長:どうじゃ? 簡単じゃろ・・・・。

ア:は・・・・はぁ・・・・、まぁ、それに長老たっての依頼ですから・・・・                       ねぇ・・・?

ヱ:そ・・・そうね・・・、受けないわけにも・・・・                                             ねぇ・・・?

タ:・・・・・・・・・・・・。

長:そうか、受けてくれるか、それは良かった・・・・、すまんのぅ・・・。

ア:あ・・・・、い、いいえ、こちらこそ・・・・。  ハンター・アルディナ!       ヱ:同じく、エルミナール          タ:タルタロス・・・・・。

ア・エ・タ:喜んで、依頼お受けいたします!

 

(こうして、長老室を退室する三人・・・、そしてその後で、幹部の一人が、沈痛な面持ちで、長老に歩み寄る)

幹:長老・・・、どうして三人に“あの方”の“洞窟”だ・・・と?

長:そう云われたらお主・・・、行く気になるかの?

幹:い・・・、いえ・・・、私は・・・、それに、よほどの“物好き”でない限りは・・・・

長:ま、「若いうちの苦労は、買ってでもせい」と言うでな・・・・。

  それに、一生かかっても乗り越えることの出来ん“カベ”じゃよ・・・・これは・・・・。

幹:はぁ・・・・、確かに・・・、それは一理ありますけどねぇ・・・。

 

(一方アダナ達は・・・・)

ヱ:何か・・・、今日の長老様・・・・、奥歯に物の挟まったものの言い方でしたね・・・。

ア:そっかぁ? 別に普段とかわんないんじゃあないの?

タ:果たして・・・・どうかな・・・・

ア:タルタロス・・・、あんた、今日来る時なんかあったんじゃあないの?

タ:い・・・・いや、別に・・・・

ア:(・・・・ったく・・・) じゃあ、明日出発することにしよう、いつもの広場でな。

ヱ:ええ、それじゃあ・・・。

タ:またな・・・。

 

(それぞれの住んでいるところへ帰る三人・・・、そして、ここはアダナの住んでいる家・・・・・)

ア:今回のは、案外早く終わりそうだな・・・・。        うっ・・・!(シュイ・・・・ン!)

ソ:エリアよ・・・・。

エ:あ・・、はい、何でしようか・・・・。

ソ:明日、依頼の件があるんだが・・・・、お前も来るか?  (シュイ・・・・ン・・・)

エ:あっ、はい! アダナ様でよろしければ!

ア:・・・・って! だぁ〜っ! ダメだ! ダメだ!! 絶対ダメ〜っ!!

  ソロン! お前一体何考えてんだ?! 確かに、今回のは、簡単だと言っても、正式な「ミッション」なんだぞ?!

それに、万が一エリアになんかあったらどうするってんだ!! わ〜かってんのか?! えぇ!!?

エ:そ・・・・そんな・・・・、わ・・・、私・・・、本当は、アダナ様のお側にずっと居たいのに・・・、

  私・・・・わた・・・・そんなに重しになっているんでしょうか・・・?(グズ・・・・)

ソ:『あ〜ア、泣かせてしまって・・・・』

ア:あっ! あぁ・・・(ちゃ〜〜・・・) エ、エリア・・・? ゴメンな? 急に怒鳴ったりして・・・。

  でもね、簡単なミッションでも、常に私達は“死”と、隣り合わせにいるんだ・・・。

そんな所へ・・・、お前を行かせたり出来っこないよ・・・・、分かってくれるな? エリア・・・。

:はい・・・・、アダナ様がそう云われるなら・・・・。(クスン・・・)

 

(そして・・、その翌日の早朝・・・・)

ア:(エリアにゃ悪いけど・・・、寝ているこのスキに・・・・)

 

パタン・・・・

 

(アダナ、エリアに気付かれまいと、静かに家を出るのですが・・・・、実はこの時、既にエリアは目を覚ましていたわけで・・・・)

:やっぱり・・、アダナ様にああ言われたけれど・・・、心配だし、それにミッションの方も簡単だって言ってたから・・・・、付いていこ!

 

(エリア、さっさと身支度を済ませ、お弁当も作ってアダナの後を追う・・・・)

 

 

 

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