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(待ち合わせの(大きな噴水のある)広場にて・・・・)

 

ヱ:おそ〜い! 全く・・・、あなたがこのパーティのリーダーなのに・・・・、少したるんでますよ?

ア:あはは・・・、悪ぃ!  アレ? どったの? 二人とも・・・、その包み・・・・。

ヱ:お弁当ですよ・・・、まさか、あなた忘れたんじゃ・・・・

ア:ええ〜っ?! そんなに時間食うようなもん(ミッション)でもないだろ? これ・・・・。

ヱ:でも・・・、この地図ですと、道のりだけでも半日はかかりそうよ?

ア:え゛え゛〜っ?!(ガァ〜ン・・・! しっ、しまったぁ〜・・・(゚ロ゚ll;;)

ソ:『こいつ、よくこんなので今までやってこれたな・・・・』

タ:アダナ・・・、お前、よくそんなんで今まで生き延びれたよな・・・・。

ア:まぁ・・・いいや・・・・、早く終わらせて、とっとと帰ろうぜ・・・・?

 

 

(すこ〜しばかり、行程はしょりまして・・・(^^;;)  その、とある“洞窟”の前・・・・)

ヱ:な・・・・なんか・・・・こう、空気がどんよりと・・・、異様な雰囲気になってきました・・・・よ・・・ね?

ア:あんっ?! エルム・・・、お前ミッションで『洞窟探索』とかしなかったのか?

ヱ:し、したわよっ! ・・・・し、しましたけど・・・、ここまで異様なのは、初めてです・・。

タ:うんっ?! ・・・・洞窟の上に何か書いてあるな・・・・。

ア:ん? どれどれ・・・、う〜ん・・・読みにくいなぁ・・・・、しかもこれって、随分古い文字で書かれてあるぞ??!

ヱ:えーっと・・・どれどれ? う〜〜ん・・・。          “汝、一切の希望を棄てよ・・・”          かなぁ・・・。

ア:よ・・・読めんのか・・・?! エルム、お前・・・・大したもんだよなぁ・・・。

:分からないわよ、でも・・・、“希望” “一切” “棄てる” が分かるから・・・・、つまりこれは意訳ですよ。

タ:へぇ〜っ・・・、じゃあ、その下のは・・・?

ヱ:え? え〜〜〜っと・・・ “イ”・・・・ “イ”〜〜 “シアス”ぐらいしか・・・分からないわ・・・?

ア:え? じゃあ、ここ“イシアスの洞窟”なワケぇ?

ヱ:違いますっ! 中程の文字が難しすぎて・・・分からないのよ・・・。

ア:はぁ〜〜、でも、この表看板読んだりするのが、今回のミッションじゃあないからな・・・・、とりあえず早く中に入って、とっとと済ませよう・・・。

ヱ:それもそうよね・・・・。

タ:・・・・・・・・・・・・・・。

 

(そして・・・、その洞窟最深部にて・・・・、

そこは、外界の太陽光すら届かぬところ・・・“真の闇”、丁度例えで言うなら『一寸先は闇』という言葉が似合うようなところ・・・・。

(しかし、例えそこに明かりがあったとしても、1mくらい先でさえも照らす事の出来ないほどの深い闇である・・・)

そんな場所に、明らかに不釣合いな美女が確認される・・・・。)

 

美女:誰か・・・、妾の洞窟に足を踏み入れた者共がおるな・・・・誰じゃ・・・。

(すると、傍にいた“使い魔”らしき者が、仲間から送られてきた思念波を、“ウィルオー・ウィスプ”を使ってモニターして確認している・・・)

使魔:はぁ・・・・、どうやら、三人のようです・・・・はぃ。

美女:ほう・・・・いづこの機関の者か・・・・分かるかえ?

使魔:お待ちくださいませ・・・・。  見たところによりますと三人共、“黒いコート” “黒いフード”を着用のようです・・・。

美女:何・・・・? では、そのフードの中央部の止め具は何が付いておるか・・・・分かるかえ?

使魔:はい・・・、少々お待ちを・・・・。 どうやら、 “二振りの刀剣”に、 “一匹の蛇”が絡まっているのが、確認されます・・・。

美女:なん・・・・・じゃと・・・?

使魔:はぃ、お察しの通り、“ギルド”の“ハンター”のようです・・・。  いかがなさいましょうか・・・・、ジョカリーヌ様・・・・。

ジ:おのれ・・・・、あの連中め・・・、妾を厄介払いするハラか・・・・許せぬ。

  よいか! 皆にも伝えよ! この洞窟に・・・、妾の領域に足を踏み入れた愚か者を生かして返すなとな!!

使:し・・・・承知いたしました・・。

 

(その洞窟を進んで行く三人・・・、手には入り口で、予め作っておいた松明を持っている・・・)

ア:へぇ〜え・・・やれやれ・・・しっかし、ここって意外と暗いもんだなぁ?

ヱ:そ・・・・そうですよ・・・ね・・・?

ア:おい・・・、エルム・・・頼むからそう引っ付かないでくれよ・・・動きにくいったらありゃしな・・・・・おわっ! なんだ?! こいつ!!

ヱ:いい゛っ!! ぞ・・・ゾンビ・・・・

ア:あ゛っ! このヤロ! 私の足に引っ付くなって!! はーなーれーろ〜〜!!

タ:むんっ!


ザンッ!!   バタ・・・バタ・・・    ワキキ・・・カキキ・・・


ア:く・・・っ! 全部バラしても、すぐ復活しちまう!! おいっ! エルムっ!!

ヱ:分かっていますっ!

“生の記憶忘れたる不浄の者よ、今は疾く天に還らん”

            『ホーリィ・レクイエム』!!


シ・・・シュウウゥゥゥ・・・・


ア:はあ〜ぁ・・・やれやれ・・・。 どうにかなったな・・・。

 

(洞窟を3分の1過ぎたあたり・・・・)

ア:な・・・なんかさぁ・・・、いよ〜にトラップとか多くない? ここ・・・・。

ヱ:そ・・・そうでしよね・・・。 しかも、簡単・・・・って言うわりに、レベル以上の化け物も多いようですし・・・。

ア:これって・・・・、ホントに簡単な“ミッション”かぁ??

タ:これで・・・、俺の勘も半分当たっちまったな・・・。

ア:な・・・なんだってぇ?! お前・・・、知ってたのかぁ?

タ:分からんよ・・・、何せオレの方も勘だけだからな・・・! 第一、こいつを受ける前からイヤな予感はしてたんだ。

ア:オメ〜も、そういう事は、もちっと早くから言えって!!

タ:仕方がないだろう! 第一、勘っていうものは、当たるか当たらないか・・・その時になってみなけりゃ、分からんじゃないか!!

ア:はぁ〜〜・・・・(これだもんなぁ・・・・)

 

ガシィン・・・!ガシィン・・・!ガシィン・・・!

 

ヱ:ち・・・ちょっ・・・、二人共・・・アレって・・・!!

ア:げっ!! デュ・・・・デュラハンっ!!? (オィオィ・・・)

ソ:『アレはちと手ごわそうだ・・・なんなら、手を貸してやろうかね?』

ア:へっ! ジョ〜ダンっ!! これくらい、私達三人でどうにかしてやるぜ?!! エルム、指示!!

ヱ:はいっ! では、とりあえず、タルタロス様は相手を引き付けて下さい、そしてアダナさんは、背後に回って下さい、挟み撃ちにします!!

ア:よっし! 分かった!! 出でよ!我が剣『グラム』っ!!

タ:出でよ!『丙子椒林』! ほ〜ら、こっちだ! ドンガメめ!!

ア:よし! 今だ!!  たぁ〜〜っ!!

 

ガキィ〜〜ン! カキィ〜〜ン!!

 

ア:ち・・・、元が剣士なだけにやり難いったらありゃあしない・・・。

デュ:グフォフォ・・・汝らが剣技、児戯にも等しい・・・ 我が剣閃を喰らうがいい!!  『マリス・グラッジ』!!

(閃光とともに襲い掛かる剣士デュラハン、その巨体からは想像もつかないほど素早い動きに翻弄されるアダナとタルタロス・・・それを見ていたエルムは・・・?)

 

ビカァッ!! ブゥン・・・・ビュウ・・・ン!!

 

ア:うおっ! ぐ・・・っ! くそっ!!

ヱ:あっ!危ないっ!! (ならばっ!!)

“悪しき闇を阻む聖なる盾よ、我等に祝福を”

              『ブレス』!!

 

(すると、自分を含む三人の前に薄い膜のようなものが出来、デュラハンからの攻撃を半減させる・・・・)

ア:た・・・助かった! エルム、さんきゅ!

タ:よしっ! だったらこっちは手数で勝負だっ! アダナ、同時に仕掛けるぞ!! 喰らえ!  『カルネージ・シークエンス』!!

 

ガシィ〜〜・・・ン!!

 

デュ:ぐ・・・ぐぉっ?!

ア:(ひるんだ・・・!!)    てやあぁぁっ! 『ディグニティアー・ケネム』っ!!

ヱ:今ですっ!

“オン・ダキニ・ナサコタラ・キャンティ・ソワカ”{吾、汝を収束せり}

                      『六魂封滅陣』!!

シュ・・・・・シュウウゥゥゥ・・・・

 

(タルタロスの、左斜め下からの打ち払いにひるんだデュラハン、そのスキを逃さずに繰り出されるアダナの
袈裟斬り→打ち上げ→雷光を伴った打ち下ろし   の三連撃、そして、止めは・・・エルムの放った呪文・・・、

自分の掌より数cm前に作り出された小さな魔方陣から、黒い闇が出現、そして一気に相手を捕縛、取り込んだあと魔法陣に還っていく・・・

無論・・・相手など跡形もなく・・・・ 完全勝利である)

 

タ:よっしゃあ!!                     ア:一丁あがりぃ〜〜!!                      ヱ:やりましたわっ!!

 

<洞窟最深部・・・・>

ジ:何・・・、彼の者共が『デュラハン』を・・・? それで・・・、その時の状況は・・・。

使:はい、真に見事なコンビネーションでして、男の剣士が薙ぎ払いでひるませた後、大剣を持った女がすかさず三連撃を見舞った由にございます・・・。

ジ:それで・・・? 止めは・・・。

使:は・・・はぁ・・・・

ジ:いかがした、見たのであろう? 遠慮はいらぬ、申してみよ・・・。

使:実は・・・、止めの術、どうやら『巫道』のようでして・・・。

ジ:なんと・・・・あの古えの・・・・。

使:左様でございます・・・。

ジ:ほほう・・・・、中々にやるようじゃな、少しは骨のあるのが来たというわけか・・・・、そうでなくてはのぅ・・・・・。

  妾もちと退屈しておったところじゃ、果たして妾の顔を拝むことができるかの・・・?(フッ・・・フフフ・・・・)

 

 

 


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