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(そして、ここに来てようやく最深部に辿り着いた三人、しかし・・・、入り口付近に、立ち塞がるように、一人の男が・・・・)

 

ア:だ・・・・誰だ・・・お前は・・・。

使:フフン・・・・こんなヤツらがねぇ・・・・・。 まぁいい、あの方の特別なお計らいだ・・・感謝するがいい・・・・・。

タ:何?                エ:“あの”・・・・・“お方”??

 

(そういい残し、その男、洞窟の最深部の奥へと消える・・・・。 そして、アルディナたちもその後を追う・・・)

 

ア:な・・・なんだ・・・ここは・・・・さらに真っ暗だ・・・・こんな明かり・・・。

タ:(ハッ!!) ま、まずいぞ!! アダナ! この闇にその明かりは! すぐに消さないと相手にオレ達のいる位置が知られちまう!!

ア:えっ?! で、でもよう・・・、こいつ消したら何も見えないじゃあないか?

ソ:『バカが・・・・、真の闇に明かりなんぞ無用の長物だ・・・・。』

ア:{え? な、なんだって・・・? ソロン!? 今なんて・・・?}

ソ:『真の闇には無用の長物だと言ったのだ!! 死にたくなければさっさと消せ!』

ア:わ・・・分かったよぅ・・・。(ジュ・・・)

 

(しかし、アダナが明かりを消すのとほぼ同時に、闇の中全体に響き渡るような笑い声が・・・・)

 

ジ:ハハハハハハハハハ!! よう来た、妾の洞窟の最深部に!!

 

(そして、明かりが一つ・・・二つ・・・灯りだし、ようやく薄っすらと部屋全体が見渡すことができる明るさになっていく、

そして・・・・、彼方に人影が・・・、白い影が・・・、シルエットのみを残して見えるのが確認される・・・・・。)

 

タ:ああっ! なんだ・・・アレは!!                                                ソ:『・・・・・・リーヌ・・・・・・・・』

ア:えっ?! なんだって?  ソロン・・・?!                                      ソ:『なんでもない・・・・、それよりボサッとするな、来るぞ!!』

 

(そして、そのシルエットが、静かにアダナ達に歩み寄ってくる・・・・・)

 

ヱ:はっ・・・・・はああっああぁぁ・・・・(こっ・・・・この方が・・・この洞窟の主・・・・! な、なんて美しい・・・・)

 

(そう・・・、そこにいたのは正に“絶世の美女”というに相応しい女性・・・、膝裏まである長い髪は『烏の濡れ羽色』をしており、

その瞳には、左は『アイス・ブルー』を、右は『サンライト・イエロー』を宿している(いわゆる『シンメトリー』)

その眼光は鋭く、見るものを射抜くような印象を持たせている。

しかも、その身を覆っている衣服(そのシルエットは、中世の貴婦人達が愛用したものに酷似している)は、“白”で統一されており、結果青白い顔が一層際立って見えている。)

 

ア:(し・・・白い・・・)  うんっ?!! (あそこにある・・・・あれが例の柱か・・・)  おぃ・・・・エルム・・・(ゲッ!!)

  な・・・何、蛇に睨まれた蛙になってんだよっ! (ぽかっ!)

ヱ:あいたたた・・・・、ちょいと! 何するのよ!

ア:いいからよく聞け!  見ろ・・・・・、あいつの後ろにあるあの柱・・・、あれが恐らくヒゲジジィが言ってたヤツだろう・・・・。

  私がひとっ走り行って来るから・・・、お前達は足止めのほう、宜しく頼んだぜ・・・。

タ:よし・・・・分かった。                                ヱ:何とかやってみましょう・・・・。

 

ジ:どうした・・・・、何を話しておる。 もしかすると、妾を討ち平らげる算段をしておるのかえ?

タ:だったとしたらどうする!! あんたにゃなんの恨みもないが、ここで果ててもらうぜ!!

ジ:・・・・・おのれ・・・、不愉快な・・・、うぬらの愚行の極み・・・、おのが身でしかと味わうがよいわ!!

 

タ:フ・・・っ! 喰らいやがれっ! 『カルネージ・シークエンス』!!                            ヱ:今ですっ!  ガムラ、マサラ!!

ガ:イヤッサー!!                                                     マ:フンガー!!

ジ:うつけ共が・・・・・

 

バシィーーン・・・・ジジィッ・・・・ジィッ・・・・・

 

タ:ク・・・・ッ!!                                    ヱ:防御・・・・方陣!!

ア:(だが・・・・足は止めた!!)  よしっ!いまだ!!(ダッ!!)

ジ:うぬ!  勝手なマネはさせぬぞ!!

“蒼き波濤よ、その力を妾の前に指し示せ”

『ブルー・スパイラル』!!

(『水』系の術、突如として現れた、回転を伴う水柱から・・・・・逃れる術などない・・・しかも、この場合、ジョカリーヌの魔力の強さから、その水柱が『龍』へと変貌して行く)

 

ア:うわッ!!(ドサッ!)

 

ジ:お主等・・・、狙いは妾の命・・・ではないな? この奥にある妾の大切なものを奪おうとしておるのか・・・・?

  許せんっ! あれは妾にとって掛け替えのないもの・・・、それを奪おうとする輩は断じて許すわけには行かぬ!!!(ギリ・・・)

 

(すると・・・なんと言うことであろうか、ジョカリーヌの目の白い部分が次第に紅く染まって行くのです・・・・。)

 

ソ:『まずいな・・・・、あれは怒りで見境がなくなったときの表情だ・・・』

ア:なんっ・・・・なんだってぇぇ?!! あんた・・・、あいつの事を知っているのかぁ??!

ソ:『うんっ?! ・・・・まぁな、以前・・・・とは言っても随分と昔になるが、二度ばかりワシのところへ遊びに来たのを覚えておる。』

ア:え・・・・っ?!

ソ:『最後に来たのは・・・・・、そうだな・・・・今から7,000年程前であったか・・・・』

ア:な・・・っ、な・・・・・な・・・・7,000年前〜〜???

エ:は?! 何を言ってるのです・・・・7,000年前・・・・だなんて・・・・。

ジ:(ピク・・・) 7,000年前・・・・じゃと・・・・? なぜお主等のような若輩者が・・・・そのような忌々しい過去を・・・・。

  不愉快な・・・・不愉快過ぎるぞ!!  ハンターめ!!!

“切り裂く者よ、出でい”!!

『スクリーミング・スレイヤー』!!

(『風』系の術、術者の魔力から生み出される『切り裂く者』(その正体とは、カマイタチ・・・である)が、容赦なくアルディナ達に襲い掛かる)

 

ソ:『いまだ!手をかざして唱えろ!!』

ア:あ・・・っ!! 分かった!         “血肉を分けし、盟約の輩よ・・・・出でよ”!!      ぐ・・・っ!!(ブシュ・・・)

ジ:なんじゃ・・・・その呪文は・・・         う・・・っ!! 同じ容姿の者がもう一人・・・!!

 

ソ:フッフッフッ・・・・久しぶりだな・・・・、ジョカリーヌよ・・・・。                    ジ:何?!  妾の名を呼ぶ・・・そなたは一体何者じゃ!!

ソ:もう忘れたか・・・・このワシの声を!!  “ジョカリーヌ=ベルゼビュート=イグレイシアス”     よ!!

エ:なんですって・・・・??!! ジ・・・・ジョカリーヌ・・・・??!!                  ア:あぁ?! なんだ? そりゃ・・・・

 

エ:ジョカリーヌ=ベルゼビュート=イグレイシアス・・・・・、かつて己が身を、転生の秘術にて“不老不死”にかえ・・・

7,000年前に突如として姿を消した高位の大魔導師・・・・、そして、死せる賢者『リッチー』の一人!!

 

[死せる賢者・・・・『リッチー』、彼の者は、高位の僧侶や、大魔導師等が、自らにかけた術『不死創成』(ビカム・アンデッド)によって不死化したもの、

体力、魔力、精神力のほかにパラメーターなどの複雑な要素が絡むため、成功率はかなり低いと言える。

(もし、失敗すれば、ゾンビーや、スケルトンなどの低級なものの存在になってしまう)

ただし成功すれば、知性、耐久性(物理・術etc・・・)が大幅にup、しかも既に死んでいるために、倒す術は皆無に近いとされている。]

 

ア:なんっ・・・・だって・・・??!  そ、それじゃあ・・・

ジ:フ・・・・、妾の正体、知らずにおれば楽に死ねたものを・・・・、じゃが! もはや決定したことじゃ。

  己ら全員焼き殺してくれようぞ!!   まずは、ほんの小手調べじゃ・・・・、おのが足元をようく見るがよい・・・・。

 

 

 

 


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