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(そう・・・、そこにあったのはまさしく“マグマの海”!! 足場は完全に失われ・・・、残ったのは、ジョカリーヌへと続く一本橋を残したのみである・・・・

しかもその橋も、今にも崩れ落ちんばかりの勢いである・・・・)

 

ア:なんだよ・・・・・これは・・・・・よ、溶岩っ?!                                ヱ:く・・・っ! こっ・・・・これは・・・・幻術です!!

ア:わ、分かってるけどさ・・・・、こっ、この暑さ・・・・、幻なんかじゃ・・・・・ない?!

ヱ:(そっ・・・・・そんな馬鹿な・・・・!!?)

ソ:いいや・・・・、これは確かに幻術だ・・・、その証拠に見るがよい!! (ブウゥゥン・・・! (ここでソロン、伝家の剣『覇蝕の剣』を創造)

ジ:何・・・! あの剣・・・・よもや!!?

ソ:我が爆炎と共に喰らえいっ! 『インサニティ・カプリチオ』!!

 

(爆炎を伴った『魔皇』の突きは、素早く、しかし確実にジョカリーヌの急所を貫く)

 

ドシュッ!!

 

ジ:う・・・・・ぐぶぉ・・・・!!                                 ソ:今だ!!  やれいっ! 若僧!!  (そして、容赦なく上空に舞い上げるソロンの兇剣・・・・・)

タ:オオウッ!!  喰らえぃ! 『Xスラッシャー』!!  (空中で『X』の字の斬撃を見舞うタルタロス、これではさしものジョカリーヌも・・・・?)

 

ジ:う・・・・・! ぐぶぁ!!  バ・・・・バカな・・・こ、この妾が・・・!!? かような下衆共に屈するとは・・・・、 

  い・・・・・イヤじゃ・・・・こ、この美しい体を・・・・・まだ失いとうは・・・・・・・・な・・・・・

 

(ジョカリーヌ消失により、彼女の作り出した幻術のフィールドも、元の状態へと回復する・・・・)

 

ア:なんだぁ・・・・、案外あっけなかったなぁ、 さ、先を急ごうぜ?!                           ヱ:ま、待って下さい・・・・まだ迂闊に動いては・・・・

ア:なんだい・・・・、相手は、完全に消滅しちまったんだぜ? 後はこいつを取替えに行くだけさ・・・・。

 

ソ:ヤレヤレ・・・、洞察力の足らんバカが・・・・                                          ア:な・・・・なんだっ・・・・・て??

ソ:あれしきの者が、この程度で屈するわけがなかろう・・・・・!

 

(そこへ・・・・“最深部”の部屋全体に響き渡るジョカリーヌの笑い声・・・・、そして、一つの青白き炎が、ジョカリーヌへと実体化する・・・・)

 

ボウッ!!

ジ:ハハハハハハハ!! さすがはソロン様、古えの『魔皇』には、妾の謀り事なぞ効かぬようじゃ・・・・。

  言うたであろう! これはほんの小手調べに過ぎぬと!!  これからが本番じゃ・・・・、うぬらの無力さ、思い知るがよい!!

ヱ:やっ・・・・・やはり・・・・・。

ア:臆するんじゃねぇ! 攻撃し続けてさえいれば、いずれは・・・・! これでどうだっ!!

“大気に散らばる、無数の礫よ、弾丸となりて敵を撃て”

『プラスティック・キャノン』!!

(これは大気中に散らばっている塵・埃を一時的に硬くし、まるで鉄砲の弾のように弾き出す・・・という術である)

 

ジ:フン・・・・・。   (ここで何を思ったかジョカリーヌ、おもむろに右手を掲げ空中になにやら文字を書き出す・・・・)

“K・Y・O・Z・E・T”   『拒絶』       (ツィ・・・)

ヱ:はあぁぁっ! あ・・・あれは・・・・ウ・・・『ウィルド・グラフ』(魔術文字)??!

ア:えっ?! ま、まさか・・・・太古に使用されてたと言う・・・・あの?? しっ、しかし・・・なんでそんなものが・・・また・・・。

 

(アダナの放った呪文の効力は、ジョカリーヌに届く事はなく・・・・、いやむしろ、彼女を避けるようにして四散・・・・消失してしまう)

 

ソ:あれは・・・! 『ディストーション・コート』(歪曲空間包護)か・・・・、暫く見ぬうちに随分と力をつけてきおったな・・・。

ヱ:ディストーション・・・・、成る程・・・、アダナさんの放った術の軌跡が歪んで見えるのはその為ですか・・・・。

ソ:あれでは・・・術はおろか・・・・剣の方でも通用するかどうか・・・・。

ジ:(ニャ・・・・)どうした・・・・、そちらはもう打つ手なしか・・・? なれば、今度はこちらから行かせてもらうぞ!!

“テルクハール・レビィ・スベル・ド・メイン” {われに従いし、集約の炎よ、烈動となりて、全てを焼き尽くせ}

『ヘリ・オン』!!

(今まで、アダナ達が唱えていたものとは一風変わったジョカリーヌの呪文、これこそ彼女の十八番とされている『古代語魔術』(ハイ・エィンシェント)である。

そして・・・・これはそのうちの呪文の一つ、彼女を取り巻くかのように発生した炎は、凄まじい迅さで周囲に広まり、あっという間に辺り一面を炎の海と化していく・・・・)

 

ヱ:な・・・ッ!! こっ・・・これは・・・・古代の魔術の・・・!!

ジ:ふはははは! どうした、巫道使いよ、早うそなたの術でこれを無効化してみせよ!!

ア:そ、そうだ! エルム、早く術の発動を!!

エ:だ・・・・ダメです・・・・わ・・・・私・・・・あ・・・・・足が・・・・・体が震えて・・・・

ソ:ならば仕方がない・・・・ほんの気休め程度だが・・・・           ムンッ!!

 

ザンッ!!   (ここでソロン、自らの剣を突き立て結界を張る)

 

タ:お・・・・・オッさん・・・・あんた魔法が使えたのか・・・・・?                             ソ:いいから黙ってこの中に入っておれ・・・・・。

 

 

 

 

 
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